4K UHD BD『リロ&スティッチ』、大人気アニメの実写版! Dolby Visionの美しい南国にうっとり
4K Ultra HD Blu-rayの注目タイトルをプロの評論家が画質と音質の評価チャート付きで紹介する連載企画。今回のタイトルは現在発売中の『リロ&スティッチ』。画質と音質の見どころを、大橋伸太郎氏が自宅のホームシアターで徹底的にチェックした。
『リロ&スティッチ』
ウォルト・ディズニー・ジャパン/ハピネット・メディアマーケティング
STORY
ケルティカン銀河を追放処分になった攻撃型エイリアン626号を追って、生みの親の科学者がやって来たのはハワイ諸島。子犬に擬態しドッグレスキューに身を隠した626号は、少女リロの目に留まる。両親を事故で失くし、姉と暮らすリロは学校になじめず、ひとりぼっち。リロは626号をスティッチと名付け、家族に迎え入れる。
Dolby Visionで美しい南国の夜、音場いっぱいに躍動するアクション
2002年のヒットアニメの実写リメイク版。オリジナルに忠実だが、子役の演技力に感嘆。デジタル実写撮影にCGのキャラクターを組み合わせている。南国の空気を伝える温かみのあるグレーディングだが、ベースは現実的な質感、フォーカス感のビデオ的なリアルな映像だ。社会格差、育児困難、家族の離散というシリアスでアクチュアルなサブテーマが透けて見える。
映像のルックもリアリズムを重んじたのである。のほほんとした童話的世界に安住していない。そこにCGのキャラクターを違和感なく溶け込ませ、アクションを演じさせるディズニーの映像技術は凄い、の一語に尽きる。
Dolby Visionだが、ピークを強調したシーンは少なく、むしろ南国の光の描出に寄与。CH12/15南国の夜の描写が美しい。CH1は、ユーモラスなエイリアンが跳梁する『スター・ウォーズ』のパロディ。CH2/9/14のロケ実景(オアフ島)はBT.2020の広色域が発揮され美しい。
音声はDolby Atmos。CH1のアニメーション、CH11/12/16/17/18のアクションシーンで惜しみなく後方とハイトチャンネルにオブジェクトを回し、カートゥーンの躍動感を生み出している。
SPEC
製作:2025年/米 ●ジャンル:洋画ファンタジー ●監督:ディーン・フライシャー・キャンプ ●出演:マイア・ケアロハ ●声の出演:クリス・サンダース ●本編ディスク:約108分、スコープ、Dolby Vision ●本編音声:英語Dolby Atmos、日本語Dolby Digital Plus 7.1ch、バリアフリー日本語音声ガイドDolby Digital 2.0ch ●字幕:英語、日本語、日本語吹替用 ●特典:同梱のBDに収録/オハナは家族、オリジナル版と比べてみよう、NGシーン集、スティッチと一緒に見よう!、未公開シーン
