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S/N、感度、定格出力...。改めて知りたいオーディオ基礎用語を解説!

公開日 2024/03/05 06:30 炭山アキラ
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オーディオは実に奥深く、様々な要素が音に影響してくる。だからこそ楽しい趣味なのだが、初心者のうちは分からないことも多く、また熟練したファンであっても、詳しいことは意外と知らないなんてことがあるのではないだろうか。

そこで、オーディオ買取専門店「オーディオランド」のご協力のもと、オーディオにまつわる改めて知りたい基礎知識を炭山アキラ氏が解説する。本項では、改めて知りたい基礎的なオーディオ用語について紹介しよう。


■S/N、感度、定格出力...。オーディオ製品で目にする用語を解説



オーディオ製品のカタログや解説記事を読んでいると、いろいろ難しそうな数字が出てくる。実のところ、それらがすべて分かっていなくてもそう問題はないのだが、それらのデータを読み解くことができると、機材購入の手引きの一つになることも間違いない。そこで今回は、代表的な項目について意味合いと読み方を解説しよう。

「S/N」
Signal to Noise Ratioの略で、機器が出力できる最も大きな楽音(Signal)と残留ノイズ(Noise)との比を表した数値。プレーヤーやアンプで表記されることが多い。

アナログレコードでは最大60dB、CDは理論値で96dB、ハイレゾでは24ビットで144dBとなる。もちろん数値が高いのは良いことだが、そこまで欲張らなくとも大丈夫だ。なお、S/N比やSN比とも表記されることがあるが、意味合いは同じものになる。

アナログレコードでは最大60dBを実現(Image : パナソニック「SL-1200GR2」)

「ダイナミックレンジ」
機器が再生できる最も大きな音と小さな音の比を表す。解説記事の本文中では「Dレンジ」と略されることも多い。デジタルの理想値とは、まさにフォーマット的なダイナミックレンジを表したもので、この理想値がS/N比のデータよりも大きいと、最小音はノイズに埋もれてしまうため、2つの項目が理論的に同じ数値となる。

しかし、あくまで私個人の印象でしかないが、データ的にはそうでもS/N比の枠を超えるDレンジを、オーディオ機器は再現しているのではないかと感じている。特に顕著なのはアナログで、最大60dBという枠の中から時にハイレゾなどものともしない超ハイファイ音が飛び出してくる。これをなぜかと考えると、「オーディオはノイズの下に隠れた楽音も耳へ届いているのではないか」としか思えないのだ。

「周波数特性」
機器が再生できる最も低い周波数から高い周波数までを表した数値で、しばしば「fレンジ」と略される。デジタル系のプレーヤーやアンプでは、DC(直流)近くから可聴帯域外の最高域までほぼフラットという製品が普通だが、スピーカーはこの数値が大いに参考となる。

一般的に人間の聴くことができる周波数の範囲は20Hz〜20kHzとされるが、実使用上は50Hz〜15kHzくらい確保されていれば、大半の音楽を聴くのにそれほどの痛痒はない。しかし、それ以下まで低音が伸びると、どんどん演奏現場の臨場感のようなものが再現されるようになり、バスドラムがアタックのパワーだけでなく空気全体を揺り動かしていることが分かるようになってくる。一方、高域がどんどん伸びていくと、音楽全体のきめが細かくなり、何と低音の伸びやかさやアタックの鮮烈さにまで聴いてくるから、オーディオとは不思議なものだ。

ただし、周波数特性で音色やスピード感といった要素は全く掴むことができないから、このデータだけに頼るのは危険だとも申し添えねばなるまい。また、アンプでは「再生周波数帯域」という表記がされているものも多く、中には周波数特性と併記されているカタログもある。そういう場合は、前者はその機器が出せる最低音から最高音を-3dBくらいまで下がった領域まで表記し、後者は20Hz〜20kHzの間を±何dBの範囲でカバーしているかを示す。

「定格出力」
パワーアンプやプリメインアンプのスピーカーへの出力の大きさを表示する値。同様の項目は幾つかあるが、これがオーディオ的に最も厳しい、言い替えると小さめに表示される値である。一般的には、数値の後ろに「8Ω、20Hz〜20kHz」といった注釈がついていることが多いが、これはスピーカーに見立てた8Ωの抵抗器へ20Hz〜20kHzの連続信号、俗にいうピンクノイズを出力した際に、一定の歪率を超えない範囲で最も高い値を表示している。一定の歪率というのはメーカーによって違うところがあるが、例えばアキュフェーズは0.05%で表記する。

「実用最大出力」
定格出力とよく似た表記がなされるが、こちらは1kHzの単音を入れた際に一定の歪率を下回る最大の出力を表示する。こちらの歪率は10%程度が多い。概して定格出力よりもかなり大きめに表示されることが多い項目である。

「ダイナミックパワー」
こちらは歪率関係なし、瞬間的にでも最も大きく出せる数値が表記される。そんな数値が当てになるのかというと、実のところ音楽再生では常に出力の値が上下しており、瞬間的にはここまで出しても壊れない、という目安として有効な数値である。

「高調波歪率」
高調波というのは、例えば1kHzの信号を出力した時に2kHz、4kHzといった高い周波数の音が一緒に出てしまう現象のことをいう。現代の製品群では、特にソリッドステート・アンプなど0.1%より大きな数値の製品などは見当たらず、大きめに出がちの真空管アンプでも1%程度のものが多いから、そう気にするほどのことはないともいってよいだろう。

大きめに出がちの真空管アンプでも1%程度のものが多い(Image : TRIODE「TRV-A150XR」)

一方、特に1オクターブ上の2次高調波が増すと、楽器の倍音を増強するような艶やかな鳴り方になる傾向があり、それを積極的に生かす音作りをしている製品もある。

「ダンピングファクター」
パワーアンプやプリメインアンプへつなぐスピーカーのインピーダンス値を、当該アンプのスピーカー出力の直流抵抗で割った値。一般に低いと低音の量感が増し、高いと切れ味が良くなるという傾向があるが、それは専ら数値が1桁台の話で、現代ソリッドステート・アンプの大半は100を超えているから、そういう傾向がみられることはない。それでも3桁、4桁と数値を向上させていくのは、高くなればそれだけ余分な音が少なくなり、楽音が磨かれていく方向だからだ。

一方、真空管アンプは1〜6くらいのものが多いが、これは真空管という素子自体の出力インピーダンスが高く、巨大なアウトプット・トランスでようやくスピーカーがドライブできる値にまで下げているからだ。しかし、だから低音質かというと全然そんなことはなく、低音が豊かな方向性を生かした音作りが可能となる。

「出力音圧レベル」
アンプから出力される音楽信号を、スピーカーがどれくらい効率良く音波に変換できるかを表す数値。ほぼ同じことを指す用語に「能率」がある。スピーカーから1mのところへ置いたマイクへ向け、アンプからスピーカーへ1Wまたは2.83V時の電力を流した時の音の大きさを測定したものだ。なぜ1Wと2.83Vが並立しているかというと、スピーカーの公称インピーダンス(交流抵抗値)が8Ωで1Wかけた時の電圧が2.83Vで、これを6Ωや4Ωのスピーカーでも統一規格として採用する動きがあるからだ。

現代のスピーカーは、概ね80dB台後半といった数値の製品が多いが、実のところ能率は90dBでようやくアンプの信号を1%生かしているくらいのもので、スピーカーというものは実は非常に効率が悪いといってよい。半世紀以上昔のいわゆるヴィンテージ・スピーカーは、能率95dBを超えるようなものが珍しくないが、これは真空管アンプ時代に大きな出力を稼ぐのが難しく、スピーカー側で能率を高めておかなければならなかったせいだ。おかげで昔のスピーカーはとてつもなく大きな製品が多かった。

一方、1960年代にアンプがソリッドステート化されると出力を上げることが比較的簡単に行えるため、スピーカーは無理をして能率を稼ぐ必要がなくなり、徐々に能率は下がっていった。しかし、能率の高いスピーカーには他で得られない立ち上がりの鋭さやスピード感を味わえるとして、根強いファンも少なくない。

Image : Brostock/Shutterstock.com

「インピーダンス」
電気には直流(DC)と交流(AC)がある、ということはご存じであろう。また、銅線などの導体の中における電気の流れやすさ(流れにくさ)を抵抗(resistance)と呼ぶことも、ご存じのことと思う。その中で、直流の抵抗は単にDCR(direct current resistance)と呼ぶが、交流の抵抗は特にインピーダンスと呼称する。スピーカーを駆動するパワーアンプの音声信号はもちろん交流だから、スピーカーの内部抵抗はインピーダンスと呼ばれるわけだ。

スピーカーの振動板というものは、もちろん音波を発するために振動し、また普通はボイスコイルというものを持っているから、機械的な共鳴現象やボイスコイルによるインダクタンス(直流はすべて通し、交流の周波数が上がるほど通しにくくなる性質)などにより、大きく波打った特性となっていることが普通だ。その中で最も低い周波数のピーク(f0)からすぐ上の周波数帯で、最も低くなっている抵抗値を「公称インピーダンス」とすることが多い。

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(提供:オーディオランド)

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