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【連載】ガジェットTIPS

Bluetoothイヤホンで遅延が発生する理由とは?

公開日 2023/11/13 09:42 海上 忍
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Bluetoothイヤホンが人気です。人気というより、iPhoneなどスマートフォンの有線イヤホンジャック廃止により「Bluetoothイヤホンを使わざるをえなくなった」という人も少なくありません。

有線イヤホンとBluetoothイヤホンの最大の相違点は、スマートフォンなど再生機器側とイヤホンをつなぐケーブルが存在するかどうかですが、「遅延の有無」も相違点のひとつです。有線イヤホンに遅延はほぼありませんが、程度の差こそあれすべてのBluetoothイヤホンには遅延があります。

Image:Melnikov Dmitriy/Shutterstock.com

遅延が大きくなると、さまざまな問題が発生します。映画のように映像と音声が同期しているコンテンツは、セリフや効果音が実際より遅れて耳に届くため、違和感が避けられません。音楽にあわせてキャラクターを操作する「音ゲー」も、映像と音が大きくズレてしまうとゲームどころではなくなります。

Bluetoothイヤホンで遅延が発生する理由は、音声データの圧縮/展開処理にあります。BluetoothイヤホンのHi-Fi音声伝送方式(A2DPプロファイル)では、再生機器側で音声データを符号化/圧縮(Encode)したうえで送信し、それを受信したBluetoothイヤホン側で復号化/展開(Decode)することで音声データに戻しますが、Encode/Decode処理にはミリ秒単位とはいえ時間がかかるため、遅延が避けられないのです。

圧縮/展開するためのソフトウェア(コーデック)が開発されるなど、遅延を低減するための試みはなされていますが、コーデックを必要としない有線イヤホンと比較すると不利になることは避けられません。スコアを競うアクションゲームのように、遅延を限界まで減らしたい用途では、今後も有線イヤホンが使われることでしょう。

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