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試合アーカイブ期間は? 録画は?

DAZN完全移行でJリーグ中継はどうなる? 某Jチームサポーターの記者が現状をまとめた

2016/12/16 編集部:小野佳希
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来季からサッカーJリーグの試合中継がスカパー!から、パフォームが運営する「DAZN」(ダゾーン)へ完全移行することが正式に発表された(関連ニュース)。Jリーグチームサポーターの反応をネットで見る限り、不安視する声が多いようだ。


はたしてDAZNはそれらの不安点をカバーできるものなのか? 某Jリーグチームのサポーターである記者が、現時点でわかっている事実をもとに、現状を整理してみたい。
※なお、あくまでも現在の状況からの推察であり、確定した事実ではないことをご了承いただきたい

■ルヴァンカップや天皇杯は見られなくなるがJ3は全試合中継に

価格面でみると、スカパー!でJリーグ中継を観るためのプラン「JリーグMAX」が月額2,743円で、DAZNは1,750円(いずれも税抜)。1,000円ほどの価格差だが、スカパー!は同パックを契約するとオンデマンドも無料で利用できた。一方、DAZNではブンデスリーガなど他国のサッカーに加えて、バレーやモータースポーツなどサッカー以外のスポーツも見放題になる。

Jリーグ周辺(国内サッカー)で見られるコンテンツも異なる。スカパー!「JリーグMAX」(※以後、本稿でのスカパー!はJリーグMAXプランのことを指す)からDAZNに移行することで、ルヴァンカップや天皇杯、ユースの試合などが見られなくなるかわりに、J3は全試合を生中継で見られるようになる。ちなみに記者が応援しているチームは現在J3に所属しているので、J3リーグ戦全試合中継は、個人的にはありがたいポイントだ。

■「録画不可」の不利は払拭できるか?アーカイブ期間は?

スカパー!では、放送を録画して後から見たり、BD/DVDなどに保存しておくことができたが、ネット配信のDAZNではそれができない。ただし生中継を見られない場合には、アーカイブのVOD視聴、いわゆる見逃し配信を利用することができる。

ここで気になるのが、そのアーカイブの対象期間。まだ正式に発表されていないので不明確だが、現在配信されている他国のサッカーや他競技の例をみると、1ヶ月程度前の試合まで遡れるようになっている。ブンデスリーガやセリエA、バレーのVリーグなど、国や競技を横断していくつかのコンテンツを確認してみたが、どれも1ヶ月程度のアーカイブになっており、Jリーグもこれに倣う可能性がある。

しかしファンからすると、遡れるのが1ヶ月前までというのは率直に言って不満が残る。スカパー!オンデマンドではシーズン開幕戦まで遡ることができたので、せめてこれくらいは残してほしいところだ。はたしてどうなるだろうか。

なお、8月に開催された記者会見(関連ニュース)では、コンテンツのダウンロード視聴対応を検討していると表明していた。通信量を抑えることを主眼にした機能だろうが、もし実現すれば録画不可という問題もひとまず解決できることになる(ただし、万が一DAZNがサービスを終了してしまった際にはダウンロードしたコンテンツも見られなくなる可能性があるが…)。

また、仮にダウンロードしてのオフライン再生が実現したとして、スマホやPCを買い換えても別端末でそのダウンロードデータを再生できるのかも気になるところだ。

なお、日本のプロ野球はベイスターズとカープの主催試合が配信されることになっているが、本日(12月16日)時点ではベイスターズの新入団会見しか見られなくなっている。権利や契約上の問題もあるのかもしれないが、Jリーグでも同じような状況になってしまったらファンとしては残念だ。

■テレビで見るためのハードルが高い?

DAZNの対応端末は、iOS/Androidのスマートフォン/タブレット、PC、スマートテレビ、ゲーム機、そしてAmazon Fire TV。スマートテレビはAndroidを採用しているソニーのBRAVIA(ブラビア)だけでなく、Firefox OSを採用するパナソニックのVIERA(ビエラ)、Web OSのLG製テレビに向けてアプリが提供される。この他にも主要メーカーのスマートテレビに向けて順次対応を拡張していくという。

つまりDAZNをテレビで見るには、対応テレビを利用するか、Fire TV/Fire TV StickやPS4・PS3(将来的に対応予定)にDAZNアプリをインストールすればよい。少し面倒に思えるかもしれないが、スカパー!ではアンテナやチューナーを用意する必要があることを考えると、個人的には許容範囲と言えるのではないかと思う。

そのほか、PCやスマホ/タブレットで再生している画面をテレビに映して見る、ということも可能。HDMI出力を備えたPCをテレビにつないだり、スマホをミラーリングするなどの方法がある。

■高画質で見るためにはどうすればいい?

DAZNでの画質は最高でフルHD。ユーザーの回線状況に合わせて自動で最適な画質に調整する。公式サイトでのFAQによれば、標準画質での利用には5.0Mbps、HD画質でのライブストリーミングとキャッチアップ動画の利用時は9.0Mbpsが推奨の回線スピードだという。回線の安定性に不安がある場合は、有線LANの利用を検討したほうがよいかもしれない。

■人気試合でも安定して配信できるのか?

放送と違って、通信では利用者が集中すると、その負荷で再生が遅くなったり止まってしまうことも考えられる。正直、これは始まってみないとなんとも言えないが、そうした問題が起こらないよう、DAZNには配信サーバーなどシステム面の整備をぜひ頑張って欲しいところだ。

■国外からでも見られる?

Vリーグとの契約時の会見で「国内のみ配信の契約」というコメントがあったこと、そして公式サイトFAQ「モバイルで動画を見ることができません」に対して「日本国内のIPアドレスではなく、海外のIPアドレスを利用していないかをご確認ください」とあることから、Jリーグも国内からの視聴のみサポートするのではないかと思われる。

例えば、海外旅行や海外出張時に試合をチェックしたいといったケースもあるだろう。日本(およびサービス展開中のドイツ・オーストリア・スイス)で正式に加入したユーザーであれば、どうにかして海外からでも視聴できるようにしてもらえるとうれしいのだが…。どうなるだろうか。

■Twitter公式アカウントがJリーグファンの疑問に続々回答

DAZNのTwitterアカウントが「DAZNについてのお問い合わせを多数の方に頂いております。誠にありがとうございます。その中で多かった項目に関して、いくつかご案内させて頂きたいと思います!」と投稿。様々なトピックについて回答している。

・クレジットカード・デビットカード以外の支払方法の対応について現在検討中
・試合以外のハイライト番組などがあると思います。こちらに関しても現在検討中
・現在未対応のデバイス(AppleTV、Chromecastなど)についても、対応次第順次案内

…など気になるトピックが紹介されているので、こちらもチェックしたい。

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