USBオーディオプロセッサーには、オンキヨーのSE-U55(¥22,500)を使用。セレクター機能だけなら、USBからのバスパワーだけで動作する

パソコンも十分オーディオ再生装置になる
最近はパソコンを使って音楽を聴いたり、DVDで映画を観たりすることができるようになってきた。そのために高性能なパソコン用スピーカーが望まれるようになってきている。

パソコンで再生するメディアは主にCDとDVD、そしてウェブからダウンロードしたMP3などの圧縮音声ファイルということになるが、まずCD再生を試してみる。パソコン内部でアナログ変換して出力すると当然のことながらノイズだらけの音声になってしまうので、USBでデジタル信号のまま出力し、USBオーディオプロセッサーを介してアンプに信号を送る方法を選ぶ。デジタル信号として流れている間はそれほどパソコンの内部的ノイズの影響を受けないので、このような接続をしたほうがクリアで、風通しの良いサウンドが得られるのだ。

そのサウンドを508PAを使って鳴らしてみると、パソコンの音というイメージからは想像できない高音質が得られ、立体的で明瞭な音像によって音楽を楽しむことができる。コンポの「代用品」という概念は、これで完全に脱却することができるだろう。ただし、パソコン側のCDドライブ自体の性能には限界があるのが現状で、低音(あるいはサウンドの質感)の不足などの傾向があり、ポータブルCDプレーヤーとまったく同等に考えることはできない。そのあたりはオーディオとPCの融合が進むにつれて、今後の課題となるだろう。

それよりも現段階では、パソコンだけでもこれだけの豊かな音楽再生環境を得られるようになったということを、喜ぶべきだろうと思う。CDだけでなく、DVDだって再生できるし、MP3などの配信ファイルを探せば、ウェブの世界は無限なる音楽の宝庫だ。限られたスペースの中で何もかもを置くことができない住環境の中にあって、パソコンがテレビと並ぶ生活空間の主役になりつつあるのは事実。そういう環境の中にも音楽文化、映画文化が育ってしかるべきだ。

デスクトップという環境では、508PAの指向性の鋭さが生かされ、パーソナルオーディオ空間の演出を手助けしてくれる。パソコンによる再生音に「妥協」していた人には、508PAのような高性能でコンパクトなスピーカーシステムの導入をぜひ考えてほしい。

PowerBook G3と接続。USBオーディオプロセッサーあり/なしで音質を比較したが、やはりプロセッサーを通すとノイズ感はかなり減った
左からプロセッサー、アンプ、
パワーブック。接続は意外と
シンプルだ