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PRVGP2026ピュアオーディオ部門「特別大賞」「金賞」受賞製品

5万円台で本格オーディオをカラフルに楽しもう!DALI「KUPID」は入門に最適なスピーカー

公開日 2026/01/27 06:30 生形三郎
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サイズ以上の量感ある低音。自然な音色、ボーカルも明快

最小かつエントリー価格帯にして、名門ブランドの理想を体現する存在。そんな驚きのスピーカーがDALIの「KUPID(クーピッド)」である。

2025年に突如登場したこのスピーカーは、2022年に発表された同社弩級のフラッグシップ「KORE(コア)」のコンセプトを踏襲した、最も小さなスピーカーとして設計されたもので、KORE同様にCEO自らが直接開発に関与した特別なコンパクト2wayスピーカーだ。

エントリーらしからぬ圧巻のスケールを持ったその表現力はVGPでも高く評価され、特に優れた製品に贈られるVGPピュアオーディオ部門特別大賞を受賞した。

KUPIDが評価されたポイントはココ!

KUPIDで驚きなのが、エントリークラスながらもシリーズ化を拒み、スピーカーユニットからキャビネットまで、全てがKUPIDのためだけに設計されていることだ。

通常は、開発や製造コストの関係から、ユニットやキャビネットの板材などを共通化してシリーズ展開することが一般的である。しかしながらKUPIDでは、ウーファーユニットの色とキャビネットの色をわざわざ各色モデルで統一させるなど、デザインにも細心の配慮を払って設計されており、その力の入れようが伝わってくるのである。

横幅150mmと非常にコンパクトな設計なので、テレビサイドはもちろん、デスクトップや寝室などにも設置しやすい。またゴールデン・イエローなどユニットカラーまで統一された5色展開は、空間のいいアクセントになる

高域を担当するトゥイーターは、磁性流体を排したKORE同様に軽快で繊細なレスポンスを追求。

反応を鈍らせる要因にもなる、磁気回路のギャップ部分に充填する磁性流体を可能な限り少なくし粘度を下げるとともに、高コストなネオジムマグネットを採用し、強力な磁力で振幅をコントロールしている。

 

ドライバー設計には有機素材を活かすなどDALIらしい設計が散見される。トゥイーターにはコスト度外視で強力なネオジムマグネットや粘性の低い磁性流体を新規採用することで、優れたトランジェントを獲得。俊敏なサウンドに寄与している

ウーファー振動板には、当然のことながら、ペーパーにウッドファイバーを混ぜた、DALI伝統のウッドファイバーコーンを使用。形状は、パラボラアンテナのような浅いお椀状の115mm径スフェリカルコーンが採用されている。

この形状は高域特性が減衰しやすく、クロスオーバーネットワークのシンプル化が可能。小口径ウーファーは、高い高域特性を持ちやすいため、このような形状が特に有効なのである。

加えて、形状ゆえに強度が保ちにくいという欠点を補うため、アルミ製のカプラーを取り付けることで強度を保つとともに、磁気回路内での正確かつ容易なセンタリングを実現して量産性を高めているという。

115mmペーパー&ウッドファイバーコーン・ウーファー。ボイスコイルボビンとコーンの接合部にアルミ製カプラーを組み込んでいる

スフェリカル形状によって、ウーファー側のネットワークは、なんと、コイル一発のみのシンプルな1次フィルターを実現。トゥイーター側のハイパスフィルターも2次フィルターを採用し、総じてシンプルなネットワークとなっている。

しかも、コンデンサーには、安価な電解コンデンサーではなくフィルムコンデンサーが奢られているといい、トゥイーターのネオジムマグネットといい、まさにクラスを超えたパーツコストがかけられている。

キャビネットも、上下の四隅が奥行き方向に向かってラウンド形状になっていたり、板材の厚みも十二分で、サイズの小ささと相まって高い強度を実現する。

以上のように、最終的なサウンドの出来栄えが素晴らしいことは当然のことながら、それを裏付ける、特別な存在たる、入念かつ贅沢な仕様となっていることが最大の受賞理由である。

スピーカーターミナルにはシングルワイヤリングを採用

量感ある低音、自然な音色、ボーカルも明快

DALIの出音を一聴すれば誰もが驚くことだろう。高速なレスポンスによって、高い透明性で描かれる高域の表現。そこへ、サイズに比して十分な量感を持ちながらも、滲んだり余計な尾を引かず鈍重にならない軽快な低域が融合している。 鮮烈でありながらも、根底にはDALIならではのエレガンスが確かに根付いているのだ。

ボーカルソースは、小型スピーカーならではのピンポイントなフォーカスで、歌声がスピーカー間センターへ明快に定位する様が爽快だ。周波数レンジは上下ともに無理のない伸び方で、心地よいスケール感の音楽再生を楽しませる。

オーケストラは、きめの細やかな再現で、楽器の重層的な連なりを緻密に表現する様は、先述のトゥイーター設計の賜物だろう。

加えて、ナチュラルで無用な主張や衒いがどこにもなく、音楽が、ただただ空間へと広く軽やかに浮かび上がる澄んだ響きが大変に心地よい。まさに音楽だけに集中できるサウンドなのである。

同じく、ジャズのピアノトリオでも、三者の姿が左右だけでなく前後の距離感までもしっかりと描き分ける立体的な再現力が際立っている。

また、ドラムスの巧みなシンバルレガートからドラムソロのスネアやバスドラムの激しい連打まで、とにかく抜けの良いレスポンスが痛快だ。

そしてやはり、透明感のある音の余韻や、収録場所の微細なアンビエンスまでがフワリと広がっていく空気感までを詳細に伝え、気がつくと音楽にのめり込まされているのだ。

KUPIDは、まさにクラスを超えた実力と、それを裏付ける充実の仕様を持った、驚きのスピーカーである。

そのニュートラルな音色表現と、レスポンシブで風通しの良い軽快なサウンドは、シンプルに完結する音楽の世界観があり、飽きの来ない普遍的な音楽再生を堪能させてくれるのである。


※本記事は『VGP受賞製品お買い物ガイド 2026年冬版』内の記事を再構成したものです。 

(提供:ディーアンドエムホールディングス)

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