ファイル・ウェブ「アナログレコード特集」

入門者にオススメ!アナログプレーヤー(1)オンキヨー「CP-1050」

石原 俊
2016年06月16日


基本をしっかりと押さえた、使いやすいスタンダードなモデル
ONKYO CP-1050
¥OPEN(予想実売価格50,000円前後)


レトロ志向のファンにお薦め
ずばりレトロなアナログファンにお薦めである。現代のベルトドライブ式機で1950〜60年代のクラシックの名盤を聴くと、演奏の瑕疵や解釈の古臭さが浮き彫りになってしまうことがままあるのに対して、本機はそのようなことはまずない。これはジャズやポップスについてもいえることなので、機会があればお試しいただきたい。



■がっしりとした低域が華やかな高域を支える

オンキヨーが2015年にリリースしたダイレクトドライブ式機である。新作ではあるが内容は古典的で、MDF(中密度繊維板)製のキャビネットにアームベース一体型のターンテーブルメカニズムがマウントされている。トーンアームはスタティックバランス式のS字型で、合成樹脂を多用してはいるものの、この価格にしては繊細な調整が可能なものだ。MM型のカートリッジが付属しているのだが、適正針圧が3.5g というのは珍しい(通常のMM型カートリッジの適正針圧は1.5g 程度である)。おそらくは非常に古典的なタイプのカートリッジを付属させることで昔風の音作りをしたのだろう。スタート/ストップボタンの感触はなかなかよろしい。ダイレクトドライブ式機らしくターンテーブルの初動は機敏で、回転がスタートしてすぐに針を盤面に落としても何の問題もない。

ダイレクトドライブ式機らしい豪快な音である。レトロな音といってもいい。1960年代のレコードプレーヤーの音が懐かしく思い起こされる。エネルギーバランスはいわゆるピラミッド型で、低音の裾野が広く、がっしりとした低域が華やかな高域をしっかりと支える。この種のサウンドはデジタル時代になってからはすっかり失われてしまったので、初めてLPに接する方にとっては驚天動地ではないだろうか。

ジャズは豪快さの中に渋い味わいがある。音像のサイズは大きい。現代の高級機のように音像がピンポイントに定位する表現とは正反対だが、このゆるさがアナログ的といえばアナログ的である。

ヴォーカルはセクシーだ。子音の切れ味は鋭くはないが、母音の質感などには古き良きアナログ時代のエロティックな大人のオンナの色気が香り立っている。これに比べれば最新のハイレゾデータ再生などは少女趣味にすぎない。

クラシックは重厚だ。これに比べれば現代の高級機のほとんどは軽薄ということになるだろう。これはポジティブにもネガティブにも受け取ることができる。アナログレコードの未来を見ているリスナーにとっては古臭いかもしれないが、アナログレコードに郷愁を感じるリスナーにとっては居心地の良い世界が得られる。



【SPEC】
●駆動方式:ダイレクトドライブ ●回転数:33 1/3rpm、45rpm ●ワウ・フラッター:0.15%以下 ●SN比:60dB以上 ●ターンテーブル:アルミダイキャスト製 直径305mm ●モーター:ブラシレスDCモーター ●起動トルク:1.0kgf-cm 以上 ●アーム形式:スタティックバランス S字型トーンアーム ●アーム有効長:230mm ●オーバーハング:15mm ●トラッキングエラー角:3度以内 ●針圧可変範囲:0〜4g ●適合カートリッジ質量:(ヘッドシェルを含む)15〜20.0g ●付属カートリッジ:OC-105(MM型) ●外形寸法:450W×158H×367.5Dmm ●質量:8.6kg ●取り扱い:オンキヨーマーケティングジャパン(株)



このコンテンツは「やさしくできるアナログレコード再生の本」からの転載です。
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