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【速攻レビュー】オーディオテクニカ「ATH-IM70」「ATH-IM50」音質チェック

2013/10/10 高橋 敦
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本日発表されたオーディオテクニカの新イヤホン「ATH-IM70」と「ATH-IM50」(関連ニュース)。新モデルの実力を高橋 敦氏が速攻チェックした。

オーディオテクニカからダイナミック型デュアル構成ドライバーを採用したイヤホンが登場。「ATH-IM70」と「ATH-IM50」だ。しかも嬉しいことに実売価格も比較的手頃になっている。


ATH-IM70

ATH-IM50
最大の特長はもちろん、1つの空間内に同調する2つのドライバーを内蔵した専用設計チューニングの「デュアル・シンフォニックドライバー」だ。取材時点では詳細は明かされていないが、仕様表にはドライバー口径は8.8mmとだけ記されている。同口径のドライバーを2基搭載する手法で、再生帯域の拡大よりは帯域内での音の充実を特に狙っているものと思われる。

外観は両モデルに大きな違いはないが、ATH-IM70のみが硬質樹脂とアルミの「異素材ハイブリッドボディ」を採用し、不要共振を抑えて音をクリアに整える。デュアルドライバーのためか両モデルとも筐体はやや大柄だが、重さは意外と軽め。ケーブルを耳の上に回してかけるスタイルでの装着もあってか、装着時の負担は特には感じない

そのケーブルは着脱式で、端子は他社製品では見かけない形状となっている。イヤーピースはシリコン製の他に、コンプライのソフトフォームチップも付属。遮音性と柔らかな装着感に優れるので、これが付属するのは嬉しいポイントだ。

音質は、ダイナミック型の強みを見事に引き出して迫力の豊かな表現が持ち味だ。その点を特に強く押し出したATH-IM50、その上でバランス感にも優れるATH-IM70といった印象になる。

ATH-IM50は、ボリューム感のある低音を生かした大柄な音像と大柄なグルーブが際立つ。低重心&大迫力のイヤホンだ。その方向性だと同社の「ソリッドベース」シリーズとの重なりが気になるかもしれないが、ソリッドベースほど過激な低音重視ではなく、無理のない範囲でアンサンブルのボトムの支えやドライブ感をプッシュしてくれる。高音側もシャープな成分を強く出しすぎることがなく、癖のない素直な感触。全体として悪くないまとまりを見せる。

ATH-IM70は、異素材ハイブリッドボディのおかげか、より落ち着いて整った音調でありバランス。

低音の制動は明らかに向上。ベースやドラムスは太さや厚みや濃さはそのままに、緩みを抑えてがっしり感を強めている。この点はロックやクラブ系の音楽でも発揮されるのだが、IM50と比べて特に好感触だったのはアコースティックなジャズ。ウッドベースの自然な太さや低音の空気感が巧く再現される。IM50だと低音が広がりすぎて空間が埋まる感じなのだが、IM70はそこがクリアだ。

高音側もやや落ち着いた音色で、ロックの暴れ具合などはIM50に一歩譲るかもしれない。しかし幅広い音楽への対応力という意味ではこちらが上だ。暴れが目立たないことで、シンバルの金属の質感といった細かな描写も引き立つ。そしてもうひとつ特筆しておきたいのはボーカル。刺さる成分が目立たないという点がより良くなっており、声の厚みもさらに際立つ印象だ。

繰り返しになるが、ダイナミック型の持ち味を存分に引き出したイヤホンだ。ダイナミック型ファンはぜひ注目してほしい。

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