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ガジェット交換パーツの調達は難しそう

Apple Vision Pro、iFixitの分解レポート第2弾。ディスプレイの1画素は「赤血球」サイズ

Gadget Gate
公開日 2024/02/08 16:43 多根清史
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ハイテク製品の分解で知られる修理業者iFixitは、アップルの空間コンピュータVision Proヘッドセット分解レポートの第2弾を公開した。先週お披露目された第1弾は、以前の記事を参照されたい。

今回のハイライトは、なんと言ってもOLEDマイクロディスプレイの分析だろう。もっともアップル内製ではなく、ソニーが供給している可能性が高いものではある。

このディスプレイは両目合わせて2300万画素だと明かされているが、実際に驚異的なピクセル密度を誇っていた。1207万8000ピクセルが0.98平方インチに押し込まれ、個々のピクセルは、わずか7.5μmとなる。これは私たちの体内にある、赤血球とほぼ同じ大きさだ。

同じアップル製品と比べれば、iPhone 15 Proの1ピクセルに当たるスペースに50以上ものピクセルが収まる計算だ。この密度は1インチあたり推定3386ピクセル(つまり3386PPI)、視野角1度あたり34ピクセル(34PPD)に相当する。

ちなみにMeta Quest 3の平均PPDは25、PlayStation VR2は19。また標準的な4Kテレビの画素密度は約140PPI。Vision Proのディスプレイは、これらを凌駕する濃密な視覚体験を提供するわけだ。

さてロジックボード(メイン基板)には、M2チップとR1コプロセッサが搭載され、多数のセンサーからのデータをリアルタイム管理できるよう設計されている。これには外向きカメラ、TrueDepthセンサーやLiDARセンサー、IRイルミネーター、IRカメラが含まれている。

最後にiFixitは、恒例の修理しやすさスコアを判定している。まず、アップル製品にありがちなパーツのペアリング、つまり本体のシリアル番号と各パーツの紐付けがあまりないことは好評価である。要は他のVision Proから取ったパーツを流用しやすいことを意味している。

ただし、他の面ではプラスもあればマイナスもある。プラス面では、バッテリーやインサートレンズ、ライトシールなどユーザーの身体に直接触れるものは簡単に交換できることだ。

しかし、ヘッドセットを覆うフロントガラスは脆く、ひび割れた程度で完動するセンサーでさえ役に立たなくなるという。製品の壊れやすさとユーザー体験の両方に、悪影響が出やすい設計である。

それらを総合的に評価してiFixitは、暫定的な修理しやすさスコアとして10点満点中4点を与えている。もっともサードパーティーの修理業者が部品を交換するとしても、初期生産台数はわずか6〜8万台と見られており、調達することが困難を極めそうではある。

Source: iFixit(YouTube)
via: MacRumors

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