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ガジェット何度も「最適化」しているはずが…

アップルの衝突検出、音楽フェスでも“暴発”。緊急通報が約5倍に

Gadget Gate
公開日 2023/06/27 14:25 多根清史
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iPhone 14シリーズやApple Watch Series 8に搭載された新機能「衝突検出」は、自動車の衝突事故に遭った場合に自動で緊急通報する機能だ。

ユーザーの命を守る仕組みではあるが、ジェットコースターに乗っているだけで作動したり、スキーを事故と誤認したりして、緊急通報サービスに負荷を掛けているとも報じられてきた。

それに続いて、先週末に米テネシー州で開催された音楽フェスティバル「ボナルー」で緊急通報が例年の約5倍あり、その原因がアップル製品の衝突検出のためであると地元誌WKRNが報じている。

今年のボナルー・フェスティバルは小都市マンチェスターで開催され、8万人以上が集まったという。この種のイベントは救急隊員に負担をかけるものだが、アップルの衝突検出が状況を悪化させたようだ。

本機能はデバイスが急激に動いたときに発動するが、フェスティバル参加者らがライブパフォーマンスに合わせて踊ったときに誤作動したとみられている。

地元コフィー郡911(緊急通報)通信センターの所長がアップルに連絡を取ったところ、事態を解決するためエンジニアを派遣すると申し出たという。が、結局は電話で相談しただけで問題を分析し、対策が講じられたそうだ。

具体的には、フェスティバル来場者らに衝突検出をオフにするよう呼びかけたという。地元マンチェスター警察のほか、ボナルー主催者側も協力してTwitterで告知。その甲斐あって、通報件数はおそらく40〜60%も減ったとのことだ。

誤報が殺到するなか、救急隊員らは上手く対応し、本物の緊急事態への対応に支障をきたすことはなかったという。911センター所長は「我々のスタッフは本当に職務のなかでステップアップしてきたし、実際にやり遂げた」と称賛している。すべての電話に出た上で、全員の安否を確認し、本当の緊急事態か間違い電話かを見極めたというわけだ。

アップルは昨年末から、衝突事故検出を「最適化」するアップデートを何度もリリースしている。その最新版であるiOS 16.4は今年3月に配信されているが、まだまだ改良の余地があるようだ。

ちなみに日本の消防庁は、誤作動で119番に発信してしまった場合「電話を切らずに『間違えた』」と伝えるようアナウンスしている。救急の現場に最も負担をかけるのは「何も話さない」ことであり(英警察も「無言電話の対応に20分かかった」と述べていた)、iPhoneが“暴発”した場合は速やかに間違いだと告げるよう心がけたい。

Source: WKRN
via: 9to5Mac

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