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ソニーなど音楽出版社17社、Twitterに対し「著作権侵害」で訴訟

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公開日 2023/06/15 17:28 Munenori Taniguchi
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Universal Music Publishing Group(Universal)、Sony Music Publishing(Sony)、BMG Rights Management(BMG)といった大手から小規模なインディー系パブリッシャーまで、合計17の音楽出版社が、Twitterに対してSNS上での著作権侵害が横行していると主張し訴訟を起こした。

原告団は大富豪イーロン・マスク氏が所有する会社が著作権者の許可なく、プラットフォーム上で「何十万回も音楽を共有している」とのこと。そして、これに対する損害賠償として総額2.5億ドル(約3520億円)以上を求めている。

ほとんどのSNSプラットフォームは、音楽出版社と包括的な著作権使用のライセンス契約を結んでいる。今回の訴訟文書においても、TikTok、Facebook、Instagram、YouTube、Snapchatなどがライセンスを得て音楽を使用していることが記されている。

全米音楽出版社協会(National Music Publishers’ Association:NMPA)は、2021年12月以来、毎週Twitterに公式の侵害通知(NMPA通知)を送っているものの、それ以降だけでも30万件の著作権侵害のツイートが特定されていると述べている。しかしTwitterは「繰り返し侵害者や既知の侵害行為を無視」し、「著作権侵害に関する法的な義務を真剣に受け止めていない」という。

Twitterはこれまで、音楽を共有するためのSNSとしてはあまり使われてこなかった。しかしマスク氏が買収してから、有料プランのTwitter Blueを対象に動画アップロード時間を拡大するなどしており、映画をまるごとアップロードすることも実質的に可能だ。この訴訟でも、ビリー・アイリッシュのミュージックビデオをアップロードしているTwitterユーザーが事例として紹介されている。ほかにも、ルイ・アームストロングの「What a Wonderful World」、グラス・アニマルズの「Heat Waves」、リアーナの「Umbrella」といった楽曲が著作権侵害の一例として挙げられた。

Twitterは当初、パブリッシャーらと合意を得るために協議を重ねていたが金額面で折り合いがつかず、今年3月に、もの別れに終わったとされている。

NMPAのプレジデント兼CEO、David Israelite氏は「Twitterはそのサービス上で数百万曲をライセンスせずに共有し放置する最大のソーシャルメディアプラットフォームだ。彼らは著作権ある音楽が、日々数十億人によって無断でリークされ、発表され、ストリーミングされていることを十分に知っている。DMCAの後ろでコソコソと作曲家や音楽パブリッシャーに支払う報酬を隠すことはできない」と述べた。これは、マスク氏がTwitter上でDMCA(デジタルミレニアム著作権法)を軽視する発言をしたことを引用しての言葉だ。

Source: Music Businesss World Wide(1), (2)
via: Deadline, Mashable

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