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パナソニックマーケティングスクール「明徳フォーラム」講演

松下幸之助氏の“最後の愛弟子”佐久間昇二氏が語る「販売店の価値は、お客様とのラストワンマイル」

公開日 2020/01/27 16:22 Senka21編集部 徳田ゆかり
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パナソニックコンシューマーマーケティングとパナソニックマーケティングスクールは、松下幸之助商学院の卒業生で形成される商集団「明徳会」の、卒業20年、25年、30年、35年の節目を迎えた会員を対象に、「事業継承」「一級経営者」を目指すという明徳会が目指すものを原点に返り思い起こすための講習会である「明徳フォーラム」を開催した。昨年に続き第二回目の開催となる。本稿では、元松下電器産業株式会社 副社長の佐久間昇二氏による基調講演「自信と誇りをもって未来を切り拓いて欲しい」の模様を紹介する。

佐久間昇二氏

佐久間昇二氏は1931年生まれ。1956年に松下電器産業に入社し、1987年には取締役副社長に就任。WOWOWの社長も務め、現在はぴあ社外取締役、パナソニック終身客員。松下電器産業時代は家電営業本部長など営業の最前線で活躍した経歴を持つ。同社創業者である松下幸之助氏から直接指導を受けた最後の愛弟子と言われている。

冒頭、松下幸之助氏との出会いのエピソードが紹介された。佐久間氏が入社5年目、上司を通じて幸之助氏が興味をもつ予約販売制度について調べて報告したところ、突然三役会議に呼ばれたという。「平社員だった私を幸之助氏がじっと見つめる目がやさしかったことに安心した。質問に答えて、氏のやりたかった予約販売制度に勇気を出して異を唱えると、幸之助氏はその場で『わかった、やめよう』とおっしゃった。幸之助氏からはその後経営者のあるべき姿を教わり、今日まで私の精神的な柱になっている」。

商人の心構えを忘れてはならない、と語る。「商人とは何かを考えると、それは商売の意義がわかっていること、お客様の心が読めること、相手より頭を下げること」。そして、商品は我が娘、と説く。「お客様は娘の嫁ぎ先。買っていただいてからが本当の勝負であり、商品がちゃんとお役に立っているかを最後まで見届けるのが商人の道」。巨大eコマースの隆盛で大型量販店がつぶれたが逆襲がはじまったと紹介し、販売店の存在の重要性を強調する。「どこが勝負かというと、それは商品がお客様の手に渡るラストワンマイル。そして売ってからが本当の勝負だ。地域店はさらにお宅の中に入り込めるという最高の強みをもっている」。

パナソニックの昨今の動向に触れ、「B2Cを軽んじB2Bを重視していると言われるが、どちらもお客様を大事にすることは一緒。B2CもB2Bもなく、お客様を大切にすれば道がひらける」とし、「パナソニックは家まるごとの展開で車産業以上のことができる。家は暮らしの原点、そこに起点をおくパナソニックの大きな展開が期待される」とする。地域家電店について「時代が地域店を求めている。ショップ店網は大きな強みであり、自信を持って仕事に取り組んで欲しい」と鼓舞した。

昨今のユーザー動向の変化に注目、「購入パターンが変わった」と指摘する。「年配者も、共働き世帯の忙しい若い世代も、モノを選ぶのに時間をかけたくないという。アドバイスしてくれる人に任せ、プロの仕事を期待する。地域店の皆さんは任せられる人になってほしい。自店で売ったもの以外でも面倒をみてくれるような、何かあったら相談できる安心生活の基本である。するとそこで買わなければ申し訳ないと思っていただける」。

最後に明徳会員にどんな目標を持っているか、と聞いたエピソードを紹介。「話をしたあと私に手紙をくださった。『夢は電気店の復権。小さくても力強く質の高い電気店が連携し、世に認知され、日本中どこの街でも活躍する世の中を夢見ている』と書いてあり、非常に感動した。地域電気店の皆さんは自信と誇りを持って明るく未来を開いていって欲しい」と締め括った。

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