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伝搬速度と適度な内部損失を両立

三菱電機、カーボンチューブ&樹脂の新素材を採用した「NCVスピーカー振動板」を開発

2010/10/25 ファイル・ウェブ編集部
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三菱電機(株)は、カーボンナノチューブを樹脂に配合した新材料を開発。こちらを使用した「NCVスピーカー振動板」を開発したと発表した。

試作された中低音用振動板(左)と高音用振動板〔右)

振動板はスピーカーの音質を左右する重要なパーツ。低音から高音に至る複雑な振動を正確に伝達する伝搬速度と、共有音や固有音を発しない適度な内部損失が求められる。高音用スピーカー振動板に使用されるチタンやアルミニウムなど金属系素材は、伝搬速度が高いが内部損失は小さい。一方紙やポリプロピレンなどの素材は、適度な内部損失はあるものの伝搬速度が低かった。

この問題をクリアするのが、今回開発された新材料だという。これはカーボンナノチューブと数種類の樹脂とを最適配合したもので、射出成形による薄肉成形も可能。伝搬速度は毎秒5,000m以上で、チタンに匹敵するという。また内部損失も、紙製振動板と同等を実現したという。

振動板用材料の伝搬速度と内部損失の関係

「伝搬速度」と「内部損失」を両立させたことに加え、同じ素材で高音〜低音用まで様々な大きさの振動板を製造できるのも、新素材のメリットとのこと。高音用/低音用で同じ素材の振動板を使うことで、統一感のある音楽再生が可能だという。

【問い合わせ先】
三菱電機(株)
先端技術総合研究所
業務部 広報・宣伝グループ
TEL/06-6497-7289

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