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2種類のフィルムを最適に組み合わせることで実現

NHK、“再撮”時のモアレを解消するフィルターを開発

2009/06/05 Phile-web編集部
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モアレの発生しているモニターの一部へフィルターを取り付けたもの。該当部分だけモアレが解消されている
NHKは、テレビなどのディスプレイに映し出された映像をテレビカメラで撮影した際に発生するモアレを解消するフィルターを(株)東京シスコンと共同開発した。

放送局では、スタジオ内の大型映像モニタにさまざまな映像を表示して、その画面を撮影する「再撮」と呼ばれる演出を多く行っているが、その際にモアレと呼ばれる干渉縞が発生することがある。今回開発したフィルターは映像モニターの前面に取り付けることで、このモアレの発生を抑えるというもの。

光学的なローパスフィルタの特性を持つ高透過率フィルムと、正面からの反射を抑えるフィルムを組み合わせている。映像モニターの画面サイズに応じてそれぞれのフィルムの特性を最適に組み合わせることにより、モアレの解消を実現した。

例えば小型の映像モニタでは、ドットピッチが細かくなるため、ローパスフィルタの特性をドットピッチの細かさに比例して強めて、より高周波成分を除去することによりモアレを抑えることができる。反面、照明の反射が強くなる傾向があるため、さらに反射率の低いフィルムを組み合わせることで、再撮時に発生するモアレを解消しつつ、照明の反射も抑えることが可能になるのだという。

今回開発したフィルターは、カメラのズームイン/ズームアウト/パン/チルトにも対応。また、プラズマや液晶などの映像モニターの他、パソコン画面などさまざまなモニターやサイズにも対応している。

なお、同フィルターはNHK放送センターのニューススタジオや札幌放送局のスタジオで実際に導入されている。

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