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ソニー、シャープ液晶堺工場の運営に参加へ − 34%出資でパネルを共同生産

公開日 2008/02/26 15:40
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ソニー(株)とシャープ(株)は、シャープが大阪府堺市に建設中の第10世代マザーガラスを採用する液晶パネル工場(関連ニュース)を分社化し、大型液晶パネルの生産と販売を行う合弁会社を設立することで、両社の意向を確認する「意向確認覚書」を交わしたと発表した。

両社では今後、「法的拘束力を有する合弁契約を2008年9月30日までに締結するよう、両社は誠意を持って交渉していく」としている。

新会社の名称は未定。会社設立は2009年4月を、稼働は2009年度中をそれぞれ予定している。資本金と工場への投資の比率は、いずれもシャープが66%、ソニーが34%となる見込み。

シャープは堺新工場の建設を発表した際、投資額は約3,800億円と説明していた。

第10世代のマザーガラスを投入する工場は、堺工場が世界初となる見通し。マザーガラスのサイズが2,850×3,050mmで、一つのガラスから60型クラスが6枚、57V型が8枚、42V型が15枚取れる。多面取りが可能になることからコスト競争力が高まる。

ガラスの投入能力は、稼働当初は月36,000枚だが、順次投入能力を増強し、最終的には72,000枚まで引き上げる。ソニーが投資を一部負担することで、シャープにとっては投資負担が減り、さらに大口の安定したパネル供給先を得ることで、増産計画をスムーズに進められるというメリットがある。パネルの供給量は「出資比率に応じる」としており、生産量の3分の1程度をソニーが調達することになりそうだ。

さらにシャープとソニーは、液晶パネルモジュール用部材の共同開発についても検討し、さらに協力関係を強化していく、としている。

シャープは昨年12月、(株)東芝ともテレビ用液晶パネルとシステムLSI分野で業務提携を結び、2010年を目標に、シャープは東芝から液晶テレビ用システムLSIを約50%、東芝はシャープから32型以上のテレビ用液晶モジュールを約40%購入するべく、来年度から相互供給の拡大、および両社提携を開始すると発表していた。

今回、ソニーがシャープとの堺工場共同運営の検討に入ったことにより、堺工場で生産するテレビ用液晶パネルの供給先はさらに広がり、工場の迅速な立ち上げが可能になる。

一方ソニーは、韓国サムスン電子と液晶パネル製造の合弁会社S-LCD(株)を共同で運営し、これまで大量のパネルを調達してきた。今回、調達先を増やすことで、調達に関わるコスト削減や安定した調達が可能になる。

本件に関して、本日夜にソニー代表執行役社長の中鉢良治氏、シャープ代表取締役社長の片山幹雄氏が共同会見を行う。会見の模様は追ってお伝えする。

(Phile-web編集部)

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