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<CES2008:日立>厚さ3.8cmのプラズマテレビを初公開 − 2009年に発売予定

2008/01/08
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日立製作所は本日、ラスベガスコンベンションセンターの同社ブースでプレスカンファレンスを行った。ブースの展示内容とあわせてレポートしよう。

厚さ1.5インチの50V型プラズマテレビが登場

同社ブースの最大の目玉は、厚さ1.5インチ(約3.8cm)の50V型プラズマテレビ。これはWooo UTシリーズの発表会の際に公開されたロードマップに沿ったものだが、試作機を公開するのは今回が初めて。2009年の発売を目指す。


厚さ3.8cmの50V型プラズマテレビ

50V型プラズマテレビを横から見たところ
開発を指揮する、同社デジタルコンシューマ事業部 商品企画本部 本部長の吉野正則氏は、今回の薄型化を実現した背景について「パネルの発光効率が上がったのが大きい。試作機の解像度は1,280×1,080iだが、商品化の際には1,920×1,080pとする」と説明。商品化の際の質量については「20kg程度が目標。このくらいだと、一般的な日本の家庭でも容易に壁掛けが行える」とした。

なお、パイオニアが最薄部0.9mmの50V型プラズマテレビ試作機を公開しているが、「我々の試作機は電源回路なども内蔵している。どこまでパネル部に内蔵するかで厚さは変わってくる」と吉野氏は説明。単なるデザインスタディーモデルではなく、近い将来の実用化をにらんだ試作機であることを強調した。


ブース内にはUTシリーズを大量に展示。「1.5 IS HERE」という文字も見える

厚さ1.9cmの32V型液晶テレビ
また、CEATECでも公開された、最薄部1.9cmの液晶テレビも展示。こちらも2009年の販売を目指し、鋭意開発を行っているという。

2008年に「IPS-Pro」パネルが実用化

そのほか同社ブースでは、最近米国でも発売されたBDカムの展示や、超短焦点プロジェクター「CP-A100」など、おなじみの製品群が並んでいる。また、IPSパネルについてもコーナーが設けられ、2008年に「IPS-Pro」というパネルを実用化することで、これまでのパネルに比べ40%の輝度向上を果たし、500cd/m2、コントラスト比1,000対1を実現することなどが紹介された。

超短焦点プロジェクター「CP-A100」のデモ

IPSαパネルの優位性をアピールする展示コーナー


BDカメラで取った映像とSDカメラで撮った映像の比較で桃行われた

BDカムは機構が見えるトランスルーセントボディのものも用意された
技術展示では、IPTV関連の研究成果が目立った。HDTV100チャンネルを一斉に送信できるIPTVシステムや、大量の動画コンテンツをトラックボールで直感的に操作できる新感覚のユーザーインターフェース、そして端末で受信したIPTVを、ワイヤレスで複数の部屋へ配信するゲートウェイなどを見ることができた。

大量のIPTV番組をトラックボールで直感的に操作する新インターフェースを提案

外部のサーバーを介して、遠隔地にあるテレビと画面を共有する技術も紹介された

IPTVを複数のテレビにワイヤレス配信する技術展示

「薄型テレビのワールドリーダーに」


執行役常務 コンシューマ事業グループ長 兼 CEOの江幡誠氏
プレスカンファレンスは、日本では昨年12月に発売されたWooo UTシリーズのビデオから始まった。同社ブースは、その中心を数多くのUTシリーズが飾っており、同製品に対する並々ならぬ期待の強さが伝わってくる。北米市場では3月に発売されるとのこと。現地法人の販売担当幹部は、UTシリーズや今回発表した超薄型プラズマ/液晶テレビを引き合いに出し、「将来的に薄型テレビのワールドリーダーになるのが目標」と力強く語った。

同社執行役常務 コンシューマ事業グループ長 兼 CEOの江幡誠氏は、「PDPとLCDの両方で薄型化を行っているのは日立だけ。また、他社のように技術サンプルではなく、実際に製品として発売されているのが我々だけであることも指摘したい。さらに、薄型の電源回路や効率的な冷却方法などは、日立グループ全体のリソースを活用したものであり、これが我々の強みだ」と説明した。

「コンシューマーエレクトロニクスのビジネスは厳しく、大変タフだが、この分野で我々はチャレンジを続けていく」とも述べ、引き続きAV機器に注力していく考えを示した。

(Phile-web編集部・風間)

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