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<ケースイのCEATEC2007レポート>ついにベールを脱いだRD-X7に迫る!東芝の次世代レコーダーは“化け物”か?

公開日 2007/10/03 10:58
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かねてから噂の絶えなかった東芝レコーダーのフラッグシップモデル「RD-X7」。そのプロトタイプモデルがCEATEC2007にお目見えした。まだ仕様のすべては明らかになっていないが、スペックの一部が公開され、会場を沸かせていた。

目玉機能は「HD Rec」というMPEG-4 AVC/H.264方式に対応し、DVDメディアへのハイビジョン記録を可能にした。同日発表になった松下電器産業の新ディーガも同じくMPEG-4 AVC/H.264方式を採用してDVDへのハイビジョン記録を可能にしたが、こちらは「AVCREC」という方式を採用しており、残念ながら互換性はない。


ついに姿を現したRD-X7

スタンダードクラスの中堅機RD-A201。

エントリークラスのRD-A101。価格が気になるが、今回は参考出品ということで3機種とも非公開。
CEATEC会場にいきなり登場した「HD Rec」搭載のRD-X7だが、その機能はすべてが明かされていないこともあり、いまひとつ魅力が伝わってこない。なんとか“いいとこ探し”をしようと説明員を捜していると、偶然にもRDシリーズ開発者である片岡秀夫氏に遭遇した。まさに千載一遇のチャンスということで、RD-X7のスペックを語っていただいた。


(株)東芝 デジタルメディアネットワーク社 デジタルAV事業部 DAV商品企画部 商品企画担当 グループ長 片岡秀夫氏
━━RD-X7で一番注目すべき機能は何ですか?
片岡氏:他社に先駆け「HD Rec」に対応したことでしょう。この規格はソニー、松下電器産業など、DVDレコーダーを製造するメーカが加入するDVDフォーラムが承認した規格なので、将来性も不安がありません。DVD規格の延長線上にあるので、1枚のディスクに、ハイビジョン放送をそのままの画質で記録するTSモード(DRモード)、DVD規格のVRモード、そして今回のMPEG-4 AVC/H.264を混在できます。

━━データ容量が大きくなるTSの番組をDVDに記録できるメリットは少ないと思いますが?
片岡氏:そうではありません。有料デジタル放送のe2スカパー!や地上波のSD放送には、ビットレートが4Mbps程度の番組もあります。この程度のデータ量の番組ならDVDメディアに2時間TSモードのまま録画できます。8Mbps程度の番組なら1時間番組を1枚のDVDにまるまる記録できます。さらに1枚のディスクに長時間の録画をしたいなら、片面1層のHD DVDディスクに6時間ものフルHD画質で録画できます。録画した番組の画質にあわせてメディアを選べる機能は重宝するはずです。それにディスク1枚の価格を考えればDVDメディアを使う頻度は増えると思います。それから、著作権保護のない番組なら、DVDに記録した映像は無劣化でHDDに書き戻しができます。「過去に録画したDVDを再生したら、気になる番組があった」という場合、再度HDDに転送することで好きなだけ再編集ができます。

━━ハイビジョン記録したDVDを再生する方法はいかがですか。
片岡氏:発売時は録画した製品で再生するしかありません。発売前の製品ですから何とも言えませんが、「HD Rec」は、DVDフォーラムの規格ですから対応機が増えると予想できます。


東芝のブースではMPEG-2 TSの放送データを、MPEG-A AVC/H.264へ効率よくトランスコードするHDトランスコーダーのデモンストレーションが行われていた。ここで気になるのが「リアルタイムでMPEG-4 AVC/H.264変換できるのか?」ということだ。リアルタイム変換なら番組を直接MPEG-4 AVC/H.264方式でHDDに記録できるので、高速ダビングが可能だ。リアルタイムに対応していないのなら、HDDからDVDへのダビング時に高速変換するという方法もある。実用に関わる部分だけにかなり気になるが、これについて片岡氏は「すべてをお話ししたら正式発表になってしまいますよ。楽しみにしていてください」とのことだった。


HGトランスコーダーの比較実験。見比べるとMPEG-4 AVC/H.264の方が若干甘くなっているが、バラエティや情報番組の録画ならこれで十分。
しかし、ここまで聞くとその先が知りたくなるのが人情。さらに突っ込んでみると、音声の記録方式に特徴があることがわかった。

片岡氏:HD Recは映像をMPEG2 TSからMPEG-4 AVC/H.264に変換して記録容量を圧縮していますが、実は音声は変換しません。音声はデジタル放送が送ってくる「パケット」単位で記録して、MPEG-4 AVC/H.264と同期させます。BD方式は音声をドルビーなどに圧縮して記録しますがHD Recはオリジナルの音声のままなので音にこだわる方にオススメできる方式だと思います。しかも、音声は5.1chのままツーストリームで記録できます。例えば5.1chで放送される洋画をオリジナル音声と吹き替え版の両方で記録できます。


HD Recのトランスコード時間については謎のままだが、それでも他社のMPEG-4 AVC/H.264への変換方式に比べても東芝らしいこだわりを感じた。HD Recが対応する予定のDVDメディアは、DVD-R、DVD-RWの2種類。どちらもCPRM対応のメディアが必要だ。とくにDVD-RはCPRM非対応の製品の方が格安で手にはいるが、まだ1枚1000円前後の値つくHD DVDメディアに比べれば気軽に保存できる。今回参考出品された3機種は、以前本サイトのインタビューに登場いただいた(関連記事)、藤井社長が暗示していた秘蔵っ子のようだ。HD Recは録画マニアから支持されるRDシリーズだけに、低価格メディアへの高画質録画や、HD DVDメディアへの長時間録画など、ユーザーの心をくすぐる機能だ。片岡氏は多くを語らなかったが、このほかにもまだまだ隠し球があるらしいので、近日に予定されている発表を待ちたい。



▲片岡氏の取材中にREGZAの商品企画を担当する本村氏が登場。東芝の映像機器を牽引するツートップだ。業界を知る人ならこの記念撮影がいかに貴重かわかっていただけるはずだ。この勢いで筆者がかねてから訴え続けているREGZA=VARDIA間の録画番組の無劣化ダビングを実現してもらいたい。


(レポート:鈴木桂水)

筆者プロフィール
元産業用ロボットメーカーの開発、設計担当を経て、現在はAV機器とパソコン周辺機器を主に扱うフリーライター。テレビ番組表を日夜分析している自称「テレビ番組表アナリスト」でもある。ユーザーの視点と元エンジニアの直感を頼りに、使いこなし系のコラムを得意とする。そのほかAV機器の情報雑誌などで執筆中。
>>鈴木桂水氏のブログはこちら

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