HOME > ニュース > 三菱化学、録画用HD DVD-Rおよびデータ用BD-R/REディスクの新製品を発売

三菱化学、録画用HD DVD-Rおよびデータ用BD-R/REディスクの新製品を発売

公開日 2006/06/08 18:00
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
三菱化学メディア(株)は、録画用のHD DVD-R、ならびにデータ用のカートリッジ無しBD-R/REの次世代光ディスク新製品ラインナップを発表した。


VR75T1
【HD DVD】
■録画用 追記型HD DVD-R(片面1層)
「VR75T1」2006年7月5日発売/¥OPEN(予想実売価格2,000円前後・1枚)
■録画用 追記型HD DVD-R(片面2層)
「VR150T1」近日発売/¥OPEN(予想実売価格4,500円前後・1枚)


DBR25N1

DBE25N1
【Blu-ray】
■データ用 追記型BD-R(片面1層、カートリッジ無し)
「DBR25N1」2006年7月5日発売/¥OPEN(予想実売価格2,000円前後・1枚)
■データ用 書換型BD-RE(片面1層、カートリッジ無し)
「DBE25N1」2006年7月5日発売/¥OPEN(予想実売価格2,500円前後・1枚)

HD DVD-Rディスクの記録・再生には、1倍速記録対応HD DVD-R「Ver. 1.0/Ver.2.0規格」に対応した機器が必要となる。ディスクは著作権保護技術のAACS(Advanced Access Content System)に対応している。

同社は今回、AZO色素の応用によりHD DVD-Rに適した新色素を開発した。記録前も記録後も、実績のある高信頼性AZO色素により、DVDに匹敵する長期間の保存安定性を実現している。片面2層ディスク用の色素には、より弱いレーザーパワーでの記録にも対応する高い感度が必要とされるが、高感度と保存安定性、再生耐久性を同時に実現する新色素を開発・採用することで対応している。

色素については、圧倒的に広い範囲でのパワーマージンを持たせ、規格を上回る信号特性を確立した。ドライブの記録パワーの変動やばらつき、またはディスク表面に付着した汚れにかかわらず、ディスク表面全体の低いエラーレートを達成している。また、HD DVDで使われる青色レーザーに対応できる強い再生耐久性を実現し、繰り返し再生にも優れた耐性を実現した。

マスタリングにおいては、同社の特殊なスタンパー製造技術を開発し、微細なトラックピッチをもつHD DVDの製造を可能にした。

片面2層ディスクの製造方法には、片面2層DVDのキーテクノロジーとなる「2P転写法」を採用。片面2層DVDの開発と生産で培った同社の経験と技術を惜しみなく投入し、L0、L1両方の層に高い記録特性を持つディスクを実現している。

一方Blu-rayディスクにも同社の高い技術力が各所に活かされている。BD-Rには青色レーザー記録用に進化させた独自の金属窒化物によるアブレーション記録膜を採用する。金属そのものよりも化学的に安定しているという特性を備える金属窒化物により、高信頼性アゾ色素膜に匹敵する長時間の保存安定性を確保するとともに、ドライブの記録パワーの変動やばらつき等による影響を受けにくいワイドパワーマージンを実現した。これにより、今後の2層以上の多層化、4倍速以上の高速記録にも対応が可能になるという。

BD-REには同社独自の記録膜であるSERL(Super-Eutectic-Recording-Layer:共晶系相変化膜)技術を採用する。同社が12倍速CD-RWにおいて、世界で初めて採用した記録膜であるSERLを、青色レーザー記録用に最適化した新記録膜を開発。BD-Rと同様の、優れたワイドパワーマージン性能と、繰り返しの記録・再生に強い高度な耐久性、長期に渡った安定記録特性を実現している。

今回はBD-R/REともにベアディスク仕様としているが、これを実現するためには有機・無機ハイブリッドコーティング材料開発力を活かした高品質なディスク表面保護層を新開発し、採用している。表面保護層はカバー層とハードコート層で形成され、指紋やキズ、よごれなどに強いディスクとしている。カバー層、ハードコート層の製造工程には独自の精密スピンコーティング法を用い、記録膜全面に渡って膜厚精度±1μm以内という超均一性層を確保している。

ディスクのマスタリングでは、同社の高精度技術を活かし、0.32μmのトラックピッチを、独自開発のDeep UVレーザー露光装置と、マスタリングプロセスの最適化により実現している。

なお、同社では今回発表した製品の他にも、書換型HD DVD-RWはその規格化の完了後に、片面2層50GBのBD-R/REは今年秋以降にそれぞれ発売を予定している。

今後、同社はHD DVDをシンガポール、Blu-rayを岡山県・水島の自社工場で生産していく。シンガポール工場は新規格製品の生産開発拠点であり、片面2層DVDディスクも世界で初めてここで開発生産された経緯を持つ。また水島工場では、これまで高精度マスタリング技術を用いた光ディスク用スタンパーの製造が手がけられるとともに、青色レーザー記録対応のUDO(Ultra Density Optical)ディスクも生産されてきた。今後はBlu-rayディスクの生産拠点として、これまでの開発・生産実績が活かされていく。

<編集部の視点>
本日同社とともに、日立マクセル(株)からも新しいHD DVD、Blu-rayのディスクラインナップが発表された。両社は2001年から次世代光記録メディアの共同開発を開始し、積極的に技術と人材のネットワーク化を進めてきたが、その成果として「相変化書換型媒体、無機追記型媒体、色素追記型媒体においていずれもユニークな材料を開発」することができ、高品位な製品を量産する体制が整えられたという。次世代光ディスクの独自技術を数多く保有する両社だけに、今後の展開が非常に楽しみだ。


【問い合わせ先】
三菱化学メディア・カスタマーサービス
TEL/0120-34-4160

(Phile-web編集部)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
製品スペックやデータを見る
  • ブランドMITSUBISHI
  • 型番VR75T1
  • 発売日2006年7月5日
  • 価格¥OPEN(予想実売価格2,000円前後・1枚)
  • ブランドMITSUBISHI
  • 型番VR150T1
  • 発売日近日発売
  • 価格¥OPEN(予想実売価格4,500円前後・1枚)
  • ブランドMITSUBISHI
  • 型番DBR25N1
  • 発売日2006年7月5日
  • 価格¥OPEN(予想実売価格2,000円前後・1枚)
  • ブランドMITSUBISHI
  • 型番DBE25N1
  • 発売日2006年7月5日
  • 価格¥OPEN(予想実売価格2,500円前後・1枚)