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【WEB版 飯塚克味 コレクター魂】低価格DVDとどうつき合っていったらよいのか?

公開日 2006/01/04 00:45
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DVDの価格は下がり続け、2005年にはとうとうワーナー・ホーム・ビデオから680円のソフトがリリースされる事態となった。他のハリウッド系のメーカーでも組み合わせ式だったりいろんな形態を保っているが、大体1,000円のラインに並んでいる。ここまで来ると発売時の3,800円、ないし4,700円といった価格ではバカらしくて買えないのが人情というものだろう。

自分も直接仕事に関係がなさそうなソフトであれば、発売日に慌てて買わなくても・・・という気持ちになることが少なくない。特に年末年始はビッグタイトルのリリースもあることから、売れ線から外れた商品を信じがたい価格で処分している場合も少なくない。一例を挙げると、ネット通販で2割引きで買ったジム・キャリーの『エターナル・サンシャイン』が、ある日某量販店に行ったら980円で売られていたのだった。既に買ってしまった身にとってはどうしようもないので、隣に並んでいた同価格の『マスク2』とウォンビン主演の『マイ・ブラザー』を手にレジに向かった。ネットショップでも同様のことがある。セールと称して40%、50%オフは最近珍しいものでも何でもなくなってきた。しかし、狙ってそのような買い方が出来るわけでもなし、一体どのタイミングでDVDを買うべきなのだろう?


動物パニック『フランケンフィッシュ』
自分がいつもDVDを買う基準にしているのは、今買わないと後に入手が難しくなるソフトである。ボックスセット、特典ディスクとの2枚組、特殊パッケージなどである。しかし最近はボックスセットに、自分としては欲しくもないフィギュアをセットにして異様な高値にされることもあり、簡単には手を出せない状況になってきた。『ヘルボーイ』や『ブレイド3』は何とか購入できたが、映画ファン=フィギュアファンとするメーカーの意図はあまりうれしいものではない。オープン価格の上、何度でも出直す初回限定版のアルティメット・エディションが今ひとつ評価されないフォックスが『スピーシーズ3』のシリーズセットで、フィギュア付きとディスクのみのバージョンを出してくれたのは良心的といえよう。東宝の『ゴジラ』ボックスなんかは、運ばれてきた箱がほとんど冷蔵庫とでも言えるサイズで、知人は会社に届くようにしていたので、周囲の人はとても驚いたそうだ。特典ディスク付きの2枚組は時々再発するメーカーが出てきたが、まだ一部でのことなので特典ファンとしては早く購入するに限ると思っている。

特に邦画の特典ディスクは買い逃すと再会する機会がほとんどないので、予約を忘れないように気を付けている。あとは特殊パッケージだが、これが困る。LD時代からキラキラ輝いたり、立体フォノグラムで外箱が作られているものに自分はとても弱い。店頭で見かけるとちょっと迷うものの、間違いなく購入してしまう。最近では『アナコンダ2』を、買う気がなかったのに立体パッケージに惹かれて購入してしまった。『フォーガットン』も映画の出来はひどいのに、パッケージのキラキラに目を奪われてしまった。前述の『エターナル・サンシャイン』もキラキラが購入の決め手である。『THE JUON/呪怨』や『サスペリア』のボックスは温度で絵が浮かんでくる仕掛けだ。しかし、さすがに全ての商品にそのような特別仕様は施されないので、緊急性を要しない作品は低価格まで待つことも多い。


名優ボリス・カーロフ主演の『冷凍人間甦える』
『ホームシアターファイル Vol.33』ではソニーの半額半蔵キャンペーンについて触れたが、紹介記事を書きながら、自分でも購入している。今回買ったのは未公開動物パニック『フランケンフィッシュ』、名優ボリス・カーロフ主演の『冷凍人間甦える』、ジャック・パランス主演の『残酷の沼』だ。3枚買えば、定価で3,500円。自分が買った量販店は1割引で、ポイントが10%付くので定価の約2割引きといったところか。いずれにしても1枚約1,000円程度の得な買い物である。内容的には一番期待していなかった『フランケンフィッシュ』がサラウンドの迫力、低予算の暗い映像を逆手に取った演出がうまく、満足度が高かった。『冷凍人間甦える』はホラーかと思っていたら、冷凍療法をまじめに追求したサスペンス作品でちょっと拍子抜けしてしまった。しかし、1枚あたりの価格が低いので、アタリが一つでもあれば、自分としては充分元は取れたと思っている。

見た映画を買うのもいいが、こうしたバクチ的な買い物もできるのが低価格の魅力でもあると思う。みなさんはいかがだろう? 因みにソニーの低価格商品は『チャイナ・シンドローム』や『ベスト・キッド』のように仕様がグレードアップしている場合もあるので、持っているからと言ってスルーするのでなく、よく注意した方がいいだろう。

ユニバーサルから980円で発売された中では、エアポート・シリーズを揃えることができた。肝心の『大空港』がモノラルのままで吹き替えも収録されない(北米版はdts)のは残念だが、他の3作品にすべてテレビ放映時の吹き替えが付いていたのはうれしかった。

ソフトとの出会いは微妙なもので、一期一会になるものもあれば、何度でも買い直す場合もあり、一概に「これだ!」と言えるパターンはない。ソフトの商品知識を確実にゲットし、後悔することのないような買い方ができれば幸せなDVDライフが送れるだろう。そのために『AVレビュー』や『ホームシアターファイル』のような雑誌をどんどん活用していってもらいたい。

(飯塚克味)

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