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Wooo発表会・質疑応答レポート−「ハイビジョン全面展開」を推進

2005/07/11
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別項でお伝えしたように、日立製作所ユビキタスプラットフォームグループは本日、Woooの薄型テレビ新製品を発表した。発表会の模様と質疑応答の全問全答をご紹介しよう。

次世代『3種の神器』時代がスタート


ユビキタスプラットフォームグループ長&CEOの立花和弘氏
発表会では、まず始めに(株)日立製作所 執行役常務 コンシューマー事業統括本部長 ユビキタスプラットフォームグループ長&CEOの立花和弘氏が登壇。立花氏は2005年を「デジタルハイビジョン時代の本格幕開けの年」と位置づけ、地上デジタル放送などの視聴可能世帯の増加とリンクし、リビングのメインテレビのハイビジョン化、大画面化が進展すると述べた。ワールドワイドの需要も、「ワールドカップやオリンピックなど大規模なイベントの開催、次世代DVDの普及などに伴い拡大する」とし、「2001年から2004年のPDP需要は500万台だったが、2005年から2008年は一気に3,000万台になる」と予測した。

Wooo新シリーズの戦略については「デジタルハイビジョン時代の新スタンダードとなるのが基本戦略」とし、「今回の11製品は地デジ100%のラインナップ」とアピールした。

市場は今後急速な拡大期に入る

また同氏は、「薄型テレビ・HDD/DVDアプライアンス・BBパソコンの次世代『3種の神器』時代がスタートする。日立では、薄型テレビだけでなく、これら3種のすべてでハイビジョン対応の新製品を投入する」と宣言した。

「新・3種の神器」を展開

Made in HITACHI戦略を加速

経営戦略としては、デバイスレベルからすべて日立や関連会社のものを採用する「Made in HITACHI」、「研究開発力の強化」、「Woooブランドの強化」の3点に注力することを表明。このうち開発拠点の強化では、従来テレビは横浜、PCは海老名、レコーダーは東海、と分散していた開発拠点を、5月から横浜地区に集約し、1,500名で開発にあたる新体制がスタートしたと説明。また、組み込みシステムの新たな研究施設も立ち上げたことを明らかにした。

自社開発パネルを採用するのがWoooの強み


ユビキタスプラットフォームグループ デジタルメディア事業部 事業部長の山田健勇氏
続いて、ユビキタスプラットフォームグループ デジタルメディア事業部 事業部長の山田健勇氏が製品戦略について説明。立花氏と同様に需要動向をかんたんに説明した後、最近行ったユーザー調査の結果を紹介。薄型テレビの購入決定時の重視点として、プラズマも液晶も、ともに最も重視するポイントとして「画質」が挙げられ、プラズマは特に「サイズ」の重視度が高い、とした。また液晶で2003年に重視されていた「寿命」「消費電力」は2005年では後退している。山田氏はこの結果から、「プラズマは大画面指向、液晶はお気軽買い換え指向へ進んでいる」と分析した。

また山田氏は、「日立はプラズマ、液晶とも自社開発パネルを使っている。これを強くアピールしたい」とし、プラズマではALISパネル、液晶ではIPSパネルを搭載することにより、高い画質を実現していることを強調した。

プラズマ・液晶ともに画質が最も重視されている

画質とこだわり

黒木瞳さんをWoooのブランドキャラクターに起用


ユビキタスプラットフォームグループ コンシューマ営業本部 本部長の高橋憲二氏
新シリーズの宣伝・販売戦略については、ユビキタスプラットフォームグループ コンシューマ営業本部 本部長の高橋憲二氏が説明した。

高橋氏は、現在同社が行っている『宇宙戦争』とのタイアップについて説明した後、「薄型テレビの普及に伴い、ユーザーとのコミュニケーションの仕方も変化させる必要がある」と語り、ACニールセンが行ったアンケート結果を紹介。それによれば、薄型テレビのCM表現として、「洗練された」「知的な」「きれいな」などのイメージが高い好感度を得たという。高橋氏は、これらの特徴を備えたWoooのブランドキャラクターに、黒木瞳さんを起用すると発表。薄型テレビだけでなく、DVDレコーダーやDVDカメラ、プロジェクターなどWoooトータルで起用するという。

店頭でも黒木瞳さんのPOPを展開

また、各商品カテゴリーごとにイメージカラーを設定し、新たなロゴで広告展開を図ること、様々なイベントや研修を通し、Woooとユーザーの接点を拡大していく考えなどが示された。特に薄型テレビにおいては、「映像にこだわる、Wooo」というキャッチフレーズを展開し、「高品質な映像ブランドとしてWoooを認知してもらうよう活動する」と説明した。

質疑応答をすべて紹介


質疑応答の模様
発表会の最後に行われた質疑応答をすべてご紹介する。

Q:42インチで20万円以下程度になると普及が加速するという見方がある。1インチ換算で5,000円程度になるが、これを達成する時期はいつ頃か。
A:去年の暮れの段階では、2010年に1インチ5,000円を想定していた。現在では、2008年、早くて2007年の下期に1インチ5,000円になると予想している。これに合わせて戦略を練っているところだ。

Q:フルHD対応モデルはいつ頃登場するか?
A:現在進めているところだ。年内、秋頃には何らかの形でお見せできると思う。発売はもっと先になる。大型サイズのPDPは画素が不足していると認識しており、M社の65型PDPを見ると、画素が荒いと実感する。50インチ以上はフルHDが必要なのではないか。

Q:アメリカ市場をどう攻略するか?
A:具体的な戦略は言えないが、すでに進めているところだ。今年前半の動きが良く、手応えを感じている。これから秋にかけてどれだけ行くか楽しみにしている。Pに関しては来年以降、戦略の見直しもある。

Q:コスト削減の工夫を教えて欲しい。
A:コスト削減は、パネル、セット、流通の3つの視点で行っている。パネルでは、ガラスのコスト削減が進んでいるほか、回路の合理化に全社を挙げて取り組んでいる。セットでは、デジタル回路の新しいチップセットに取り組んでおり、来年の春に出すことができるだろう。50%の削減を見込んでいる。流通では、主に海外でSCMなどに取り組んでおり、良い効果をあげたいと考えている。

Q:32インチで10万円の液晶テレビも登場しているが、価格破壊に対してどう考えているか。
A:同じ品質、流通経路でやれば我々でも可能だ。アジア勢の製品と国内製品を比べると、不良品率が6〜7倍も違う。また、激安テレビは地上デジタルにも対応していない。ワールドワイドで見れば、我々は10万円テレビと戦っており、そこで何の問題もなくビジネスができている。

Q:今回チューナーを別筐体にするのをやめたのは何故か?
A:2年前の暮れに決めていた。コスト削減という意味もあるが、地上デジタルの普及率をにらんで決めた。地上デジタルの普及が拡大すればデジタルチューナーは必須となり、様々なチューナーのラインナップを用意する必要がなくなる。

Q:シェアの現状と年内の目標を教えて欲しい。
A:プラズマでは松下電器に凌駕されていると認識している。国内では松下、パイオニアと弊社しかないが、その中でトップシェア、35〜40%のシェアは取りたい。液晶に関しては、「日立の液晶」というブランドが認知されていないと考えている。早期に10%を目指したい。海外に関しては、資料が無く具体的な数字が出せないが、「チャレンジ計画」というものを策定している。海外ではこれまでVGAが主体だったが、次第にHDに振れてきている。ここのところでシェアを確保したい。

Q:フルHDに関して、たとえば走査線数1600本といったような、フルHDを超えた解像度を実現することもあり得るのか?
A:60インチ以上はフルHDがマストだ。それ以上は放送との絡みもある。フルHDを超える解像度もALISパネルでは実現不可能ではないが、個人的には1080あれば十分かな、と考えている。

Q:松下と日立のPDP分野での包括的協業が発表されているが、今回の新製品ですでに提携の成果は出ているのか? 
A:今回の新製品では提携していない。今後強力に進めていきたい。新しい3番館が鍵になると考えている。

(Phile-web編集部)

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