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ソニーなど4社、DVテープにハイビジョン記録する新規格「HDV」を発表!

2003/07/04
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●キヤノン(株)、シャープ(株)、ソニー(株)、日本ビクター(株)の4社は、DV規格カセットテープを用いてハイビジョン映像の記録再生を可能にする「HDV(仮称)規格」の基本仕様を策定した。

「HDV規格」には、720p方式と、1080i方式があり、世界のHDインフラに幅広く適合した商品開発が可能。4社は本仕様を関連する業界に積極的に提案し、今年9月頃を目処に「HDV規格」正式版を確定する考えだ。

「HDV規格」は、現行のDV規格をベースとしながら、MPEG2で圧縮されたHD信号のデータ記録仕様を新たに定めたHD VCR規格。DV規格と同じカセットやテープスピード、トラックピッチを採用し、ドラムやカセットコンパートメントなどの主要メカニズムはDV規格のものをそのまま利用できる。既存のDV規格の商品と高い親和性を持った商品設計が可能である。

「HDV規格」のうち、720p方式は、ビクターが今年3月に発売した「GR-HD1」に採用されているものと同じ方式。「HDV規格」では、この720p方式に1080i方式を加えた。720pでは解像度が1280×720で、フレームレートは60p、30p、50p、25pに対応。1080iでは解像度が1440×1080で、フレームレートは60iと50iとなる。

映像は、MPEG2を採用したことにより、DV規格SD仕様と同等のビットレートでHD映像の記録再生が可能。音声はサンプリング周波数48kHz/量子化ビット数16ビットの信号を、MPEG1 Audio Layer II方式で384kbpsに圧縮して記録する。

DV規格SD仕様に採用されているエラー訂正はトラック内のみだが、「HDV規格」では複数のトラック間の訂正方式とすることで、エラー訂正能力を飛躍的に向上させ、ドロップアウトなどによるトラック内のデータ欠落の耐性を強化した。

MPEG2はフレーム間圧縮のため、サーチ時などの映像表示は困難だが、「HDV規格」では、特殊再生時に使用する専用データをテープ上に配置し、サーチやスロー等の特殊再生時における映像表示を可能にしている。

【HDV規格の主な仕様】
<メディア>DVまたはミニDVカセットテープ

<映像>
[720p時]
●ビデオ信号:720/60p、720/30p、720/50p、720/25p
●画素数(水平×垂直):1280×720
●アスペクト比:16:9
●圧縮方式:MPEG2 Video(プロファイル&レベル:MP@H-14 )
●輝度サンプリング周波数:74.25MHz
●サンプリング構造:4:2:0
●量子化ビット数:8ビット(輝度/色差共)
●圧縮後のビットレート:約19Mbps

[1080i時]
●ビデオ信号:1080/60i、1080/50i
●画素数(水平×垂直):1440×1080
●アスペクト比:16:9
●圧縮方式:MPEG2 Video(プロファイル&レベル:MP@H-14 )
●輝度サンプリング周波数:55.7MHz
●サンプリング構造:4:2:0
●量子化ビット数:8ビット(輝度/色差共)
●圧縮後のビットレート:約25Mbps

<音声>
●圧縮方式:MPEG1 Audio Layer II
●サンプリング周波数:48kHz
●量子化ビット数:16ビット
●圧縮後のビットレート:384kbps
●音声モード:ステレオ(2チャンネル)

<システム>
●システム規格:MPEG2 Systems
●ストリームタイプ:Transport Stream(720p)、Packetized Elementary Stream(1080i)
●ストリームインターフェース:IEEE1394 (MPEG2-TS)

(Phile-web編集部)


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