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インタビュー

VGP2013 金賞受賞メーカー特別インタビュー

進化したAVはこう楽しめる
体感の売り場で市場を元気に
パナソニック(株)
グローバルコンシューマー マーケティング部門
AVCマーケティング ジャパン本部
本部長
吉清和芳
VGP2013 総合金賞
BDレコーダー “プレミアムDIGA”「DMR-BZT9300」
VGP2013 映像特別賞
液晶テレビ “VIERA”WT5 series
VGP2013 金賞受賞モデル
TH-L47WT5/TH-L37ET5/TH-L55WT5/TH-P60VT5/DMR-BZT9300/HC-X900M/HC-V700M
(VGP各部門の詳細はこちらをクリック)
がまんの時期が続くAV市場だが、デジタルテレビやレコーダーで楽しめる新しい世界はまだお客様に伝わっていない。デジ〜デジの買い換えも本格化しようとする今、あらためてデジタルAVで楽しむ毎日を訴求するために、体感を伴う売り場づくりは急務。VGP2013特別金賞受賞のレコーダーをひっさげ、年末商戦で弾みをつけるパナソニックの吉清氏に、意気込みを聞く。

高画質・高音質の基本性能をあらためて訴求

−− ブルーレイディーガ「BZT9300」が、VGP2013の総合金賞を受賞されました。

吉清 薄型テレビビエラのポテンシャルで再生するにふさわしい最高画質を追求するBZTシリーズの中でも、最高峰モデルであるBZT9300には大きなご評価をいただきありがとうございました。また今回、ネットワークオーディオプレーヤーとしてハイファイオーディオも楽しんでいただける機能も初めて搭載しましたが、ここについても高くご評価いただけましたことに感謝しております。

総合金賞を受賞した“スマートDIGA(ディーガ)"プレミアムモデル「DMR-BZT9300」 。第3世代となるシステムLSI「ユニフィエ」新バージョンを搭載し、BDレコーダーとしての基本スペックを高めたほか、192kHz/24bit対応のネットワークオーディオ機能も備える“全部入り”モデル。

−− アナログ停波以降、デジタルAVカテゴリーは転機を迎えました。最前線である売り場でも、何をどう表現してお客様に訴求するか、変化が求められます。

吉清 録画機はここ3年ほど、アナログからデジタルへの移行に伴って、店頭では番組録画の訴求が全面に出ており、高画質化、高音質化といった基本性能のアピールが不足していたかもしれません。今後はこうしたことも含めた新たな訴求を積極的に展開していきたいと考えます。売り場展開の中で、そうしたことをお客様にしっかりと実感していただけるような仕掛けづくりを継続的にやって参りたいと思います。

お客様が録画機に対して求められるものとして、まずマジョリティとなるニーズはテレビ番組の録画。これには、高画質でたくさん録れること、それを手軽に管理して再生できることをあらためてアピールします。カメラやビデオで録ったパーソナルコンテンツを編集し再生できる「動くアルバムメーカー」の機能もたいへん楽しいものです。さらに昨今注力して参りましたビエラコネクト、家中のどこでも、いつでもコンテンツを楽しめる「お部屋ジャンプリンク」などの「スマートAVライフ」の訴求も継続していきます。

そして今回のBZT9300は、ハイレゾのネットワークオーディオを楽しむご提案も加わりました。ここで新たなカテゴリーを作り出したいという思いでチャレンジして参ります。今後は、このBZT9300を、レコーダーとしてだけではなく、ハイファイオーディオとしての展開も視野に入れており、オーディオ売り場でもぜひ、高音質再生をアピールして参りたいと思います。

−− エンターテイメントのすべてのコンテンツがディーガに集約されます。録画機の域をすでに超えて、ネットワークサーバーとしての役割もますます注目されますね。

吉清 録画機のデジタル化の流れの中、ディーガはまさに従来の録画機からホームサーバーという位置づけを目指してきました。今後はもっとアウトプットを楽しんでいただけるようなご提案を売り場で展開し、お客様がそれを実際に体験できる環境を整備していきたいと思います。こうした楽しさを味わい、生活が変わると実感できる売り場づくりを実現することが、もうワンステップ上のAVの普及につながると思います。年末商戦では、ご販売店様とともにこの取り組みを強化して参ります。

 

体感を伴う売り場展開でAVをもっともっと伸ばす

−− まだ伝えきれていない魅力をアピールして、AVを元気にしたいですね。

吉清 放送がデジタル化しても、まだ録画機がアナログからデジタルに置き換わっていないご家庭は、まだ多くあると見ています。多くの方がデジタルの録画機がどれだけ便利になったかをご存知ない一方で、デジタルレコーダー所有者の間では録画の機会が伸長しており、まだまだ伸びしろを感じます。

私どもでは新提案として、ネットワーク機能を前面に出したディスプレイ付きハードディスクレコーダー「ディーガ+」を7月から発売しております。ディーガを所有されている方にはジャンプリンクでコンテンツを手軽に楽しんでいただくサブ機として、またエントリー層の方々には手軽なレコーダーとして、さまざまな切り口で訴求していただけます。7月にテレビコマーシャルを展開して認知が大きく広がりました。地域専門店様を含めご販売店様からおおいに期待されており、今後も注力して参ります。

HDDレコーダーとワイヤレスモニターをセットにして、「お部屋ジャンプリンク」対応により家庭内の様々な場所でテレビ視聴が楽しめる「DIGA+」(ディーガプラス)。

−− 年末に向けて、テレビも重要商材になって参ります。

吉清 エコポイント終了、アナログ停波の後、テレビの総需要は激減しています。しかし地デジスタートの2003年から9年あまり、デジタルからデジタルへのテレビの買い替えが動いています。当時の37、42インチのHD画質から、フルHD画質の大画面テレビへ。特に50インチ以上への買い替えは伸びており、テレビ全体では減少していても、ここは前年比増となっています。

大画面化、高画質化、そしてネットワーク機能をはじめとする高性能化、またデザインも進化しました。狭額縁で、奥行きも省スペース、洗練されたデザインはテレビの概念やリビングそのものの概念を変えます。さらに使い勝手についてはビエラコネクト。見るテレビから使うテレビへ、新しいテレビの提案です。

こうした多くの魅力をぜひお客様に体験していただくことが、年末商戦の最重要ミッションです。コンテンツとのタイアップ展開も実施しており、期間中にビエラの対象機種をご購入いただくと、アクトビラのインターネットサービスで、映画「009:RE CYBORG」をご覧いただくことができるというものです。封切りされた映画をネットワークでお楽しみいただける新体験として訴求していきたいと思います。

映像の世界はまだまだ訴求すべきたくさんの材料があります。お客様の基本性能に対するご支持、ご要望は本当にありがたく、そこに応えられる機器づくりに我々はチャレンジし続けなくてはなりません。原点にかえって、お客様に認めていただける商品を開発していく。さらにそのポテンシャルを普及機にも踏襲させ、これからもより多くの方々に喜んでいただきたいと思います。

吉清和芳氏 プロフィール

1984年松下電器産業(株)(現パナソニック)入社。1997年AVC社テレビ事業部商務課課長、デジタルAVCマーケティング本部商品グループグループマネージャーを経て、2012年1月より、AVCマーケティングジャパン本部本部長就任。