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VGP2012 金賞受賞メーカー特別インタビュー

「家じゅうどこでも、いつでも」、の
楽しさを訴求し新規需要掘り起こす
パナソニック(株)
グローバルコンシューマー マーケティング部門
AVCマーケティング ジャパン本部
本部長
吉清和芳
VGP2012SUMMER 総合金賞
プラズマテレビ “VIERA”TH-P65ZT5/TH-P50ZT5
VGP2012SUMMER 特別企画賞
スマートディーガ(BZT series)
VGP2012SUMMER 金賞受賞モデル
TH-P65ZT5/TH-L42DT5/TH-L37ET5/DMR-BZT9000/DMR-BZT820/DMR-BZT720
(VGP各部門の詳細はこちらをクリック)
VGP2012SUMMERで数多くの商品が受賞を果たしたパナソニック。そうした個々の高付加価値化に加え、群マーケティングで新たな需要を掘り起こしていく。ロンドン五輪、さらにその後を見据えた展開を、吉清本部長に聞く。

クライアント機器拡大で「ジャンプリンク」に注力

−− 受賞おめでとうございます。

吉清 総合金賞を受賞しましたプラズマテレビの最高峰ZT5シリーズを始め、液晶テレビでも高画質のWT5シリーズ、狭額縁でデザインを強化したDT5シリーズなど、各々の商品のポイントを高くご評価いただき、たいへんありがたく思います。

−− AV販売は地デジ化以降、方向性の変換が求められていますが、御社では個々の商品に磨きをかけると共に群展開のソリューションビジネスを重要視されています。今回の受賞で個々の商品の高いレベルが証明され、群展開への期待がより高まります。

吉清 群展開の筆頭はネットワーク。この春から私どもは、録画機ディーガについて、テレビ番組の録画、再生の楽しみに加え、ネットワークに接続し、ビエラコネクトなどさまざまなアプリの楽しみや、コンテンツを家庭内のさまざまな場所で見られるジャンプリンクの利便性をご提案する「スマートディーガ」の訴求を展開しています。ディーガ本体にもWi-Fiを内蔵し、ネットワーク接続を簡便にしました。

本体にWi-Fiを内蔵するスマートディーガ“BZT series”(上から「BZT920/820/720」)。Wi-Fiアクセスポイント機能「シンプルWi-Fi」を搭載し、インターネット回線を契約していなかったり、ルーターを持っていなくても、本機を使って手軽に「お部屋ジャンプリンク」機能が利用できる。さらに「Wi-Fi Direct」にも対応している。VGP2012SUMMERで特別企画賞を受賞。

今回受賞しましたお風呂テレビSV-ME5000もディーガのクライアントとなりますが、愛用者カードでは半数以上の方がネットワーク接続しておられ、私どもの想定した使い方を多くの方がご活用されているということで、新しい需要を掘り起こせる手応えを感じております。

ジャンプリンクでは、裾野拡大に向けてディーガのクライアントになる商品がさらに必要です。そこで新提案として「ディーガ+(プラス)」を投入しました。ディーガとあらかじめペアリングしたワイヤレスモニターをセットにして、簡単にジャンプリンクを楽しんでいただける商品です。またビエラでもWi-Fi内蔵のX50という新シリーズを投入しましたが、ディーガのクライアントとしての領域を広げるものになります。

本体に320GB HDDを内蔵したレコーダーと、19V型/10.1型の液晶モニターがセットになった「DIGA+」。互いを無線LANルーターを介さずダイレクトにWi-Fiで接続し、レコーダーを経由して放送番組のストリーミング視聴や、録画番組の視聴が行える。

−− 今後は店頭でもひとつひとつの商品の個性を際だたせつつ、群での訴求を進めることが付加価値訴求につながります。ネットワークの領域では地域専門店さんのチャンスも広がりますね。

吉清 私どもでは、専門店様ルートでエコ商品やAVのつなげる提案をできるお店様づくりを推進する「ネットワーク&エコハウス」を展開し、お店様向けにネットワーク研修やサポートを進めております。店頭ではこの春からオリンピック商戦の展開と合わせ、テレビコーナーでディーガとジャンプリンクのセット提案を、併せて録画機のコーナーでもクライアントになるジャンプリンク対象商品を展開しております。またビエラも今年、「つながる、きれい、かんたん、エコ、デザイン」と5軸の進化を遂げて、「スマートビエラ」の訴求を展開しています。

こうした展開では、Wi-Fi接続や機能の部分が前面に出るより、お客様にとってのメリットをわかりやすく表現するよう心がけて参ります。いつでもどこでも楽しめるといったキーワードで、ご体験につなげたいですね。

 

デジタルテレビの楽しみを積極訴求できる店頭に

−− 今テレビまわりは音の訴求ポイントも高いところ。テレビが薄く、額縁の面積も狭くなり音への注力が難しいとなると、こうした周辺商品にチャンスが広がります。テレビ売り場も音の周辺商品で活気づいています。

吉清 この夏商戦に向けてのさらなる群展開として、テレビにプラスオンした音まわりのご提案をしております。販売店様からもご支持をいただいており、ワイヤレスヘッドホンやコンパクトスピーカーシステム、そしてラックシアターやシアターバーにつきましてもあらためて注力して参ります。

店頭では、あらためてビエラのコーナーでのシアターバー展示を推進しています。これまでテレビの下に設置していたシアターバーをビエラの上に置いていただくこととしましたが、こうしたトライアルを春に展開したところ、シアターバーがお客様の目線に入り、認知が向上し売り上げが伸びました。ここは積極的にやって参りたいと思います。

さらにディーガでは、新たに「フォトレコーダー」のご提案もしております。ハードディスクにWi-FiやSDカードを通じてスマートフォンやルミックスで撮った画像をストレージでき、自動編集機能も搭載し、SNSなどとも連携できるものです。この商品は、ディーガのサブレコーダーと位置づけており、写真を撮影するだけでなく、写真をより楽しんでいただける付加価値提案で、録画機の新しい需要や使い方を広げていきたいと思います。積極的に提案してレコーダー市場を活性化したい思いです。

−− いよいよオリンピック商戦が始まります。

吉清 2003年の地上放送開始から9年、デジタルテレビの買い換えが始まっており、初期にデジタルテレビを購入されたデジタルリーダーの方々が対象になります。昨今はテレビも狭額縁になっており、かつての42インチサイズで50インチのテレビを導入することができますから、2ランク、3ランクアップの大画面提案を進めていきたいと思います。

また当時HDだった画質は今フルハイビジョンとなり、省エネ、ネットワーク機能、と圧倒的に進化した商品をデジタルリーダーの皆さんにご提案していくというところが、オリンピック商戦の本格的スタートとなります。

家庭のテレビがデジタルになった今、そこから新しいテレビの使い方がスタートします。今こそ「スマートAVライフ」の訴求をすすめ、体験、体感のできる店頭づくりを実現して参りたいと思います。ぜひご期待ください。

吉清和芳氏 プロフィール

1984年松下電器産業(株)(現パナソニック)入社。1997年AVC社テレビ事業部商務課課長、デジタルAVCマーケティング本部商品グループグループマネージャーを経て、2012年1月より、AVCマーケティングジャパン本部本部長就任