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VGP2012 金賞受賞メーカー特別インタビュー

総合力を活かした提案力で
映像の楽しみ方の進化を牽引
(株)東芝
デジタルプロダクツ&サービス社
デジタルプロダクツ&サービス第一事業部
国内企画・マーケティング部 部長
岡田淳
ビジュアルグランプリ2012 総合金賞 “REGZAワールド”
液晶テレビ "REGZA" 4Kテレビ「55X3」/ZP3 series「42ZP3」「37ZP3」/Z3 series「47Z」「42Z3」「37Z3」/ZP2 series「32ZP2」「26ZP2」
BDレコーダー "REGZAブルーレイ" レグザサーバー「DBR-M190」「DBR-M180」
タブレット「AT700」
写真は55X3(左)、AT700(右上)、DBR-M190(右下)
ビジュアルグランプリ2012 金賞受賞モデル
55X3
(VGP各部門の詳細はこちらをクリック)
あらゆるお客様が対象となる、新しい映像ビジネスの構築を目指し、“つながる”楽しさの提案を「REGZAワールド」で加速する東芝。欠かすことのできない製販一体となった提案にも全力をあげ、市場の変革が求められている今、市場創造へのリーダーシップを発揮する。

目を見張る総合力とそれを体現する力

−− 個々の商品の魅力にとどまらない、横断的・総合的な提案力で、「REGZAワールド」が総合賞に輝きました。

岡田 総合力での新しい楽しみ方の提案に対して高い評価をいただき、うれしく思います。これは、今後のデジタル商品のあるべき姿だと考えています。最近は「ポストテレビはどうなるのか」という質問をよく受けます。インターネットや4K2Kなど、どれも正しい方向だと思いますが、そこで大切なことは、いくつかの商品が組み合わさることで、新たな楽しみ方が増えていくことです。

「レグザAppsコネクト」でレグザやレグザブルーレイとつながる。

年末商戦では、REGZAワールドを構成する、4K2Kを採用した大型のグラスレス3Dをラインナップした「レグザ」、そして、録画した番組を手元で見ることができる「レグザタブレット」、地デジ6チャンネルを15日分キャッシュできる「レグザサーバー」など、盛りだくさんの内容となります。

レグザタブレットは、ちょうど買い替えのタイミングに入った中小型テレビに取って代わることもできる機能を搭載していますし、ご家庭の2台目パソコンとしても活用できます。また、レグザサーバーに搭載したタイムシフトマシン機能は、セルレグザの第1弾で実現して以来、「レコーダーに早く入れてほしい」という声をたくさんいただいていました。まるごと保管して後でゆっくり楽しむ新しい映像との付き合い方には、幅広いお客様からの手応えを感じています。

「レグザサーバー」には、「レコーダーにも搭載して欲しい」という多くの声があったタイムシフトマシン機能を搭載する。

例えば、テレビを購入した人が後からタブレットを購入すれば、テレビで見ていた映像の続きをタブレットで外へ持ち出しすなど、映像を楽しむ生活シーンが拡がっていきます。しかしこのまったく新しい提案は、私たちが強くアピールしていかなければ、楽しさや便利さをわかっていただくことはできません。この年末を皮切りに、各社からもこうした提案が増えてくると思いますが、「REGZAワールド」により、その中でもより魅力的な提案を行っていけると自負しています。

−− 地デジ化後、店頭でも重要な取り組みテーマですね。

岡田 ネットにつなげられるデジタルテレビがこれだけ普及したのですから大きなチャンス以外の何物でもありません。ただ、実際につないでいるお客様は10%にも満たない。新しく手に入れたテレビの使い方は進化していて、番組を見るだけにとどまらない、ものすごい実力を備えています。そこを理解しいただけるように、ご販売店様とご協力して、もっと声を大にして訴えていきたい。

売り場の作り方もご提案していきたいと考えています。ソフトやサービスの商売もより拡がっていくと思いますが、そこもまだ、お客様にはよく知られていません。テレビ単体の時代ではなくなりました。頭を切り換えていかないと、販売も伸びていかないでしょう。

−− テレビでのネットワーク環境構築は欠かすことのできないテーマになりますね。

岡田 Wi-Fiはパソコンの世界では当たり前ですが、テレビはあくまでお子様からお年寄りまでが使う家電であることも忘れてはならない事実です。そこへWi-Fi環境を持ち込むにはハードルがある。本来は、お客様が何もしなくてもつながっているのが理想ですが、まさに、そうした第2のステップへ入ってきています。チャンネルを選ぶ感覚でYouTubeなどのネット上のコンテンツも誰もが気軽に楽しめる。そうしていかなくてはならないと思います。

4K2Kでも何を楽しむのか。例えば、デジタルカメラで撮影した画像も再現力が全然違っています。さらに、美しいだけでなく、そのことで生活が今後どのように変わっていくのか、ベネフィットの提案が必要だと思います。

−− 電気店でも今後は商品を楽しむための環境を整えてあげることが重要になってきますね。

岡田 テレビをこんなふうに楽しめる、さらにタブレットを加えればこんな楽しみ方もできる。そうした提案が必要になってきます。そのためには、機器の組み合わせでどんなベネフィットが生まれるかをきちんと把握し、説明できる力が求められます。

お客様によってベネフィットは異なりますから、色々な引き出しを用意しておくことが大切です。お客様が知りたいのはそこなのですから、説明のできるご販売店様、提案のできるメーカーが生き残っていくことができる。その力をわれわれは今、試されているのだと思います。

自由になる時間が限られた生活の中で、場所や時間を選ばずに自由に楽しむことができるタブレットやスマートフォンを機器連携に活用するメリットをお伝えしていくことは、とても重要なことだと思います。レグザサーバーのタイムシフトマシン機能も、見たい時に見たい番組を視聴でき、効率的な番組視聴に非常に便利です。これらのベネフィットを提案できれば説得力はさらに高まります。

映像の楽しみ方も大きく変わってくる中で、このような提案ができれば、お客様とご販売店様の間の信頼関係もさらに強めることができます。これからのご販売店様の存在感はそうしたところに強く出てくるのではないでしょうか。

お客様の目も大変シビアになってきますから、よりベネフィットに根差したスペックを盛り込んだ商品にしていかないと、選択肢から弾かれてしまいます。そのベネフィットはテレビだけでなく、周辺の機器やWi-Fiなどのサービスが一緒になることで膨らんでいく。それを、一握りの特別な人たちだけでなく、誰でもごく普通に楽しめる家電にしていくことこそが、我々メーカーの使命だと考えています。

岡田淳氏 プロフィール

1982年 (株)東芝入社。ビデオ事業部国内営業部門で販売企画、販促、広告に携わる。03年4月デジタルAV事業部DAV国内営業部長に就任。DVDレコーダーの国内市場導入を行うなど、録画機器の国内営業活動に長年従事する。映像機器の日本部部長を経て、11年6月よりデジタルプロダクツ商品の国内企画・マーケティング部長に就任、現在に至る。趣味は読書、映画鑑賞。