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「東京カメラ部 2015写真展」「Z10X」で作品表示

<インタビュー>東芝4Kレグザのもう1つの顔、“写真を忠実に映せる4Kテレビ”に迫る

2015/05/28 編集部:近藤 貴彦
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日本最大級の審査制写真投稿サイト「東京カメラ部」が主催する写真展「東京カメラ部 2015写真展」が渋谷ヒカリエで6月14日まで行われている。この写真展に東芝が協賛しており、会場内では4K REGZA(レグザ)「Z10X(関連ニュース)」を使用した作品展示が行われている。

「東京カメラ部 2015写真展」会場内で4Kレグザ「Z10X・50型」を使用した作品表示が行われている

4Kレグザで高画質写真を楽しむスタイルについて、東京カメラ部運営代表の塚崎秀雄氏、東芝でレグザシリーズの商品企画を担当する本村裕史氏、レグザの映像設計を担当するTV映像マイスターの住吉肇氏に話を伺う機会を得た。

左から東京カメラ部を運営するウィルヴィー(株) 代表取締役の塚崎秀雄氏、東芝ライフスタイル(株) ビジュアルソリューション事業本部 VS第一事業部 地域第一部 国内TV商品企画担当 参事の本村裕史氏、東芝デジタルメディアエンジニアリング(株) デジタルメディアグループ 映像システム技術担当 アシスタントシニアマネージャーの住吉肇氏

まずは、塚崎氏に東京カメラ部および写真展の概要と写真展でレグザを使用するに至った経緯を伺った。東京カメラ部は審査制の写真投稿サイトで、運営側が投稿写真の審査をしておすすめしたいと思ったものが紹介される仕組みになっている。そして、その紹介された写真がユーザーから評価を受ける。

現在、東京カメラ部の会員数は32万人。また、東京カメラ部は「富士の写真館」「空の写真館」「NEKOくらぶ」などの多様な分室を持っており、その総会員数は92万人で日本最大級の規模だという。「東京カメラ部」が主催する写真展は今回が3回目で、会場には22万作品の投稿から選ばれた10枚をメインに約140作品が展示されている。

「東京カメラ部 2015写真展」の様子

「東京カメラ部に投稿される写真はスマホで見ることがメインではありますが、スマホの小さな画面ではその写真の良さが伝わらないものもあります。写真には、大きな構図の中に小さなポイントを持つものもあれば、被写体がど真ん中にあって目立つようなものもあります。後者の場合はスマホでも良さがわかりやすいですが、前者の場合はわかりづらいです。そういった環境で、まず“大画面で写真を見る”というニーズが多くなっているんです」(塚崎氏)

「東京カメラ部 2015写真展」の様子

最近はカメラの解像度がどんどん上がっている中で、「写真を表示するモニターとして4K仕様のものが欲しい」という声が多くのカメラユーザーから聞かれているという。

「写真をモニターで大画面表示したときに、モニターの再生環境が追いついていないとその写真の真価はわかりません。フルHDのモニターで3,600万画素の写真を見ても、その写真の本当の姿が見れているかというと多分見れていないでしょう。4Kのモニターで見ると、本当に細かいところまでばっちり見えていて、撮影者の表現したいものがしっかりと見えるようになります」(塚崎氏)

4Kレグザ「Z10X」に出力された写真

今回の展示会では、投稿写真をプリントした展示と4Kレグザ「Z10X」を使用した作品展示の両方が行われている。4Kモニターとしてレグザを選んだ理由は、まずただのディスプレイ/モニター製品とは異なり、レグザはSDカードを挿せばすぐに写真を再生できる仕様であること。そして、「写真モード」が搭載されていることだという。この写真モードは、通常の映像コンテンツ向けの画質モードとは異なり、“写真を表示するため”に最適化した画質調整メニューだ。なお、画像ファイルを保存したSDカードを本体に挿入した場合のみ調整が行えるモードになる。

レグザは写真モードを搭載

「普段はテレビ放送が見られて、さらに写真モニター用にも使用できるということで、カメラユーザーの間で“4Kテレビを導入したい”という声は多いんです。しかし1つネックがあって、テレビは動画を映すためのものなので、自動で表示映像の画質調整を行いますよね。これは写真を映す場合は反対に困る機能なのです。写真表示用としては、モニター側の色づけはいらず、撮影者の意図通りの色味をそのままストレートに表示してほしいわけです。そういった理由で、一般的にテレビを写真用のモニターに使用するのは少々難しいのですが、レグザの場合は写真を表示するのに最適な画質の写真モードを搭載しています。おかげで、カメラユーザーが求める4Kテレビとしてお薦めできるわけです。そこで今回の展示に使用させて頂きました」(塚崎氏)

「Z10X」に出力された写真

本村氏と住吉氏によると、東芝では4K対応レグザの開発当初から、写真表示の機能には重点を置いていたという。

「世界に先駆けて初めての4K対応レグザを発表した頃は、まだ4Kコンテンツが無い時期でした。当時私たちは、Blu-rayを4Kアップスケーリングして楽しむという方法をメインで訴求していましたが、もう一つの大きな要素として、4Kテレビであれば自分で撮った高画質写真を高い解像度で楽しめるということも訴えてきていたんです。その頃から現在の最新モデルに至るまで、一貫して4Kテレビで“写真を高画質で楽しむ”という点にも注力した機能を盛り込んできました」(本村氏)

当時から、大画面で写真を高精細なままモニターしたいというニーズがあることは分かっていたという。そこで、写真の色味をそのままストレートに表示できる写真モードを開発した。ちなみにこの写真モード自体については、2Kモデルの時から搭載していたものだが、本村氏は「写真モードを搭載する意味が本格的に出てきたのは、4Kレグザからだと思います。カメラ自体の解像度が上がり、撮影写真を高精細に映したいというニーズと、それに対応する4K表示が可能になったことで、写真モードの真の力が発揮できるようになりました」と語った。

レグザはテレビ機能として、様々な映像をシーンに応じてダイナミックに画質制御する機能を搭載しているが、写真モードにおいてはこの画質調整機能を基本的にオフにしているという。そのため、写真を“素直”に、撮影者の意図のまま表示させることができると本村氏はアピールする。

写真モードの開発に関する具体的な話は、住吉氏が語ってくれた。まず、写真モードを作るにあたり、ユーザーが蛍光灯の下で見ることを想定してデフォルトの色温度はD93に設定しているという。なお、色温度はユーザーが調整メニューのバーから用途にあわせて設定を行うことも可能だ。例えば調整メニューにある「07」はD93相当、「02」はD65相当、「00」はD50相当なる。モニター的に見たいときには「02」、編集をD50相当で行いたいときには「00」に設定するなどといった使い方ができる。

色温度はD93相当の07に設定されている

色温度は好きな数値に設定が可能

また、Z10Xの色域設定はデジタルシネマのDCI-P3規格にほぼ準拠する色域になっているが、写真を表示する場合は、色域設定をオートか色域復元かのどちらかが選択できるようになっている。住吉氏によれば「オートでは、sRGBの色域からデジタルシネマの色域までに拡張・復元する処理を行います。標準を選択すると、sRGBの色域に抑え込んで表示する形になります」とのことだ。

色域設定の選択メニュー画面

「昨年、写真家のハービー・山口氏とコラボする機会があり、そのときに写真モードについて良い評価をしてもらいました。一方で、初心者向けの機能として撮影写真をより綺麗に表示できるモードもあると良いという意見もありましたので、最新機種のZ10Xから“質感リアライザー”を搭載することで、撮影写真をより綺麗な画質に調整できるようにもしています」(住吉氏)

「質感リアライザー」をオンにすると写真をより綺麗に見せる工夫がなされる

ヒストグラムに応じて処理をしている

なお、HDMIなどで外部入力した場合は写真モードでの調整は行えないが、通常の映像調整メニューの中で写真モードとほぼ同等のことができるようになっている。

本村氏と住吉氏は「これからも、レグザシリーズでは映像表示のクオリティを高めるのと同時に、写真表示機能にも引き続き注力していきたい。カメラユーザーの皆さまが使える4Kテレビとして、写真の表現をもっと高められる仕様を盛り込んでいきたい」と語っていた。

「Z10X」に出力された写真

東京カメラ部 2015写真展
・日時:5月27日(水)〜6月14日(日) 11:00〜20:00
・会場:渋谷ヒカリエ 8階
   (クリエイティブスペース 8/「01 COURT」「02 CUBE 1,2,3」「04 d47 MUSEUM」)
入場料:無料

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