新製品批評

Phile-web >> 製品批評 >> TH-AE100 >> カジュアルなのに本格派

 


 

カジュアルというレベルを高める、
真にハイCPと言えるプロジェクターの登場

愛称は『カジュアルシアター』だが、映し出される映像は本格的。そんなプロジェクターがパナソニックから出た。 正直に言って、いままで「カジュアル」をうたったプロジェクターで、私が映像にのめり込める製品はなかった。本機は違う。これは、私が映像と本格的に相対することができた、初めてのカジュアルなプロジェクターである。

カジュアル=許されるぎりぎりの画質という常識は、この製品とは無縁である。本機は、言葉通り、気軽に使える本格的なフロントプロジェクターだ。このモデルは、「カジュアル」のレベルを高める先兵として、この冬のホームシアター市場の話題を独占するだろう。

松下はすでにブラウン管テレビ、プラズマディスプレイと実に多彩なディスプレイを世に送り出しているが、このカジュアルシアターは、ユーザーから見れば、実に魅力的なセカンドディスプレイとして、テレビの次に手に入れたいディスプレーとなるはずだ。つまり、液晶テレビやプラズマディスプレイはBSデジタル放送が誘う買い換え需要に乗った商品であるのに対し、プロジェクターはそれら既存のものに加えて、買い足したくなる商品だからである。

本機が映し出すDVDの映像を見ると、24万8000円という価格に驚く。「CP(コストパフォーマンス)が高い」という表現は、本機のためにあると思えるほどだ。本当のCPとは、ある価格帯の中での性能の比較ではなく、絶対的な性能に対する価格比であるというのが私の持論である。本機のCPの高さは、この価格なら、まあ満足出来るという次元ではなく、この映像が、この価格で味わえるなら安いという驚きの次元で成立している。30万円台のプロジェクターでも、この画質を実現できる製品は今までなかった。


本機の接続端子部。ビデオ端子にはRCA/S/RCA色差を各1系統ずつ備える。
AC電源は3極インレットタイプ。