新製品批評
Phile-web >> 製品批評 >>伝統と革新−マランツ「SA-11S1」「PM-11S1」徹底レポート

ピュアオーディオにこだわり続けるマランツから、ステレオ仕様のスーパーオーディオCDプレーヤーとプリメインアンプが揃って登場した。いずれも同社のフラグシップに位置付けられる高級機だけに中身の充実ぶりが光るが、まず目に飛び込んでくるのは両機に共通する新しい感覚のデザインである。

 

マランツ自ら「ニュー・プレミアム・デザイン」と銘打ったこのデザインは、従来の同社高級コンポーネントのテイストを受け継ぎながら、新たにフロントパネルに3ピース構造を導入し、さらにブルーの照明を工夫して立体的なフォルムを際立たせている。写真からも美しさは伝わってくるが、実物の存在感と個性はそれ以上に強いインパクトがある。

 

SACD・CDプレーヤー「SA-11S1」\367,500(税込)

SA-11S1は、ステレオ専用のSACD・CDプレーヤーの最高位に君臨する製品だ。マランツおなじみのHDAMをI/V変換・LPF・出力回路のそれぞれに配した「トリプルHDAM」構成のほか、群遅延歪みを抑える独自回路「PEC」も音質改善に大きく貢献する。さらに、CD再生時とSACD再生時それぞれ独自にフィルター特性を切り替える機能も搭載した。CD再生時は3種類のフィルターにノイズシェーパーとDCフィルターのオンオフをそれぞれ別個に組み合わせて、計12通りにおよぶ音調の違いを楽しむことができる。

 

プリメインアンプ「PM-11S1」\367,500(税込)

プリメインアンプPM-11S1は、セパレートアンプのフラグシップモデルSC-7S1、MA-9S1の思想を受け継いだ注目機である。プリアンプ部には最新バージョンのHDAM SA2を主要回路に採用したほか、SC-7S1と同様なリニアコントロールボリュームを積んで高精度かつS/Nのいい再生音を狙った。パワーアンプ部は瞬時供給電力を従来の約2倍と飛躍的に高めて、スピーカーのドライブ能力を大きく強化している。