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| FUJIFILMの記録メディアが今、さらに大きな進化を遂げようとしている。今回のインタビューでは、FUJIFILM記録メディアの現状と成果の詳細をうかがうことが出来た。写真左手奥は、今回のインタビューにご協力いただいた富士写真フイルム株式会社・記録メディア事業部商品技術部BDグループの下野清治氏 |
記録型ディスクの進化は著しい速度で進んでいる。DVD-Rを例にとると、当初1倍(等倍)だった記録速度は、ほどなくして4倍速、8倍速になり現在に至っている。等倍では60分かかっていた記録時間が、8倍速では約8分に短縮された。ここまで急速に記録速度がアップした背景には、CD-R時代の蓄積がものをいっている。記録メディア業界のトップリーディングカンパニーである富士写真フイルムの長い蓄積が、高度で高速なDVDの記録をしているのである。
さらに今後は、16倍速記録のDVD-Rを実現する光ディスク技術の基礎技術を、すでに開発しているという。16倍速では60分かかっていた記録時間が、わずか5分ほどに短縮されることになる。ここまで速くなれば、ユーザーはほとんど待たされることなく、ディスクへの記録ができるようになり、使い勝手は格段に向上する。
DVDはCDに比べてデータ転送レートが高く、また1倍速(等倍速)との互換性を高めるためには、等倍と16倍速の両方できちんと記録できる高度な有機合成技術によって生まれた有機色素が必要であった。今後はこの高速記録に対応したドライブとディスクが登場してくるだろう。富士写真フイルムの準備は万全である。
| 1〜16倍速記録DVD-Rプロトタイプの仕様 |
| 記録波長 |
650nm |
| NA(レンズ開口率) |
0.6 |
| 厚み |
1.2mm(0.6mm×2) |
| 記録層 |
有機色素 |
| トラックピッチ |
0.74μm
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| 最短記録ピット長 |
0.4μm |
| 記録速度 |
3.49(1倍速)〜55.84(16倍速)m/sec
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| データ転送レート |
11.08(1倍速)〜177.28(16倍速)Mbit/sec |

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FUJIFILMブランドから発売された録画用Blu-rayディスク「BLRW23F A」。 鮮やかなアクアブルーのカートリッジ本体とシルバーの窓部のコントラストが美しい
(写真はクリックで拡大)
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メディアの総合メーカーとして、全ラインアップを取りそろえることをモットーとするフジフイルムは、次世代ディスクと呼ばれたBlu-rayディスクも既に発売ずみである。
Blu-rayディスクは、405nm(ナノメートル)というきわめて波長の短い青紫色レーザーを採用し、記録密度を高めたディスクで、1枚で23GBの容量を記録できる。ハイビジョン映像を録画することを目標に開発されたメディアである。その高密度記録を実現するために、新たに開発された相変化記録層、微細なトラック形状を形成する高精度スタンパ、薄型0.1mm光透過保護層が採用された。きわめて高密度であるため、ディスクはカートリッジに入れられている。カートリッジも同社の製品らしく、個性豊かで洗練されたデザインと美しいブルーのカラーリングが魅力的だ。今後地上波デジタルが広まるにつれ、さらにニーズが増していくだろう。
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