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 DVD-Rは、記録型DVD市場の6〜7割を占めている。一度しか録画できず、録画したものの上に上書きしたりはできないが、ディスク自体が比較的安価であることや、消せないことがかえって安心であるということもあって、広く使われている。
 マットタイプの「キャンバスレーベルL」は、ホワイトと、ホワイトを含む5色のカラーミックス、さらにそれぞれが5枚入り、10枚入りなどのバラエティに富んだ商品構成。ホワイトのみは、単品販売もしている。キャンバスレーベルのカラータイプでは、ディスク素材に薄い色が付いていて、プリントすると淡い仕上がりとなる。

オリジナルDVD作成の楽しさがさらに広がった
「キャンバスレーベルL」では通常のレーベルプリント対応ディスクに比べ、印刷可能エリアをよりディスク中心近くまで拡大した。印刷する絵柄のデザインを今までよりさらに自由に楽しめるようになった。
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1〜8倍速記録対応 DVD-R“きれい録り”カラーシリーズ

 記録型ディスクの進化は著しい速度で進んでいる。DVD-R"きれい録り"のカラーシリーズを例にとると、当初1倍(等倍)だった記録速度は、ほどなくして4倍速になり、ついに8倍速が登場した。等倍では60分かかっていた記録時間が、8倍速では、約8分に短縮された。HDD+DVDレコーダーでダビングするときにかかる作業時間を大幅に短縮できるだろう。ユーザーにとって待望の、実用性の高い技術だ。
 ここまで急速に記録速度がアップした背景には、記録メディア業界のリーディングカンパニーである富士写真フイルムの長い蓄積がものを言っている。富士写真フイルムでは、「精密基板成形技術」で、最短記録ピット長は400ナノメートル、トラック間隔は740ナノメートルという微細な中に、正確にピットを作ることを可能にした。
 DVDはCDに比べてデータ転送レートが高く、1倍速(等倍速)との互換性を高めるためには、等倍と8倍速の両方できちんと記録できる高度な有機合成技術によって生まれた有機色素が必要であった。8倍の技術は、実は今後開発されてくる16倍速記録のDVD-Rを実現する光ディスク技術の基礎技術によって培われたものである。写真科学分野で培った技術を応用し、低速度との互換性も保ったところはまさに記録メディアの総合メーカーのなせる技である。

キャンバスレーベルにDVD-RW&DVD-RAMディスクが登場

 インクジェットプリンター対応のキャンバスレーベルは、ディスクレーベルをオリジナルデザインで作ることができ、大人気を博している。この富士写真フイルムオリジナルのキャンバスレーベルに、DVD-RWとRAMの書き換え型ディスク対応版が登場した。
 RW/RAMは、著作権を保護してデジタル放送を録画できるCPRMに対応しており、ディスクのニーズも高まってきた。デジタル放送ライブラリーを作るなら、このキャンバスレーベルでオリジナルレーベル作成に凝ると、もっとライブラリー作りが楽しくなってくる。
 3倍速記録対応DVD-RAM"きれい録り"シリーズは、従来より1.5倍高速な3倍速記録対応のラインナップを大幅に拡充してきた。もちろんこちらも、マット地のキャンバスレーベルで、インクジェットプリンターで写真やイラストを印刷して、オリジナルのレーベル作成を楽しめる。
 カートリッジタイプは、「カラーポイントシャッター」による、スノーホワイトのカートリッジ本体にワンポイントカラーがアクセントになっているシックなデザイン。


広い印刷可能エリアがうれしいDVD-R「キャンバスレーベルL」

マットタイプのレーベルを採用し、印刷時のより美しい仕上がりを実現した「キャンバスレーベルL」(写真はクリックで拡大)
水性ペンで手書きの文字やイラストを気軽に書き込むのも良い。レーベル面の滑らかな書き味、色の発色ともに思いのままの表現が楽しめる(写真はクリックで拡大)

 DVD"きれい録り"シリーズのDVD-Rには、キャンバスレーベルLという、オリジナルレーベル印刷に対応したタイプがある。こちらでは、市販のインクジェットプリンタを使って、レーベル面に自由に印刷を行うことができるというのが最大の特徴である。印刷可能であるだけでなく、マジックなどのペンでメモを書き込むのにも適していて、使い勝手がよい。
 印刷を行う場合、レーベル面をできるだけ広く使いたいものである。そこで、キャンバスレーベルLでは、ディスク表面の表記を最小限にし、デザインスペースを広げて、オリジナルデザインを活かせるような工夫がされている。さらに、Lの文字どおり、内径の印刷可能範囲を25ミリまで大きく広げて、印刷の自由度を高めている。一度でもオリジナルレーベルを印刷してみればわかることだが、普通、写真では、いちばんポイントとなるものが写真の中央に配置されているものである。人の顔や花など、目についたものを中央に置くのが、写真の基本だからだ。ところが、DVDディスクは、中央に巨大な穴が開いている。そのため普通の写真を使ってレーベル作成をするのは難しいということになる。
 この問題を解決したのが、内径の印刷部分を広げた「キャンバスレーベルL」シリーズだ。このシリーズでは、通常なら40ミリあるディスク中央の穴が、25ミリと大幅に小さくなっている。内径の部分との境目はとくになく、平滑で印刷したあとの状態も自然だ。単に内径を伸ばしただけでなく、フラットになっているところにもこだわりが見える。マットタイプの「キャンバスレーベル」は、ホワイトと、ホワイトを含む5色のカラーミックス、さらにそれぞれが5枚入り、10枚入りなどのバラエティに富んだ商品構成。ホワイトのみは、単品販売もしている。他社がホワイト/シルバーが主流なのに対して、カラーバリエーションがあることで選択肢が広がり、印刷する楽しみも増す。
 印刷してみると、ホワイトがナチュラルな色合いになるのは当然として、カラーミックスのほうは、淡い仕上がりとなって、独特のやわらかい発色となる。たとえば、ブルーのディスクを使うと、山吹色がレモンイエローのように見えるようになる、という感じである。ちょっとクールにも見えて、こういう色合いを好む人もいるだろう。カラーバリエーションはペン書きなどで色分けするのにも便利に使える。

DVD-RW/DVD-RAMでもオリジナルレーベル印刷を楽しもう

繰り返し使えるDVD-RW、DVD-RAMでも、オリジナルレーベルを印刷することでコレクション性が格段に高まる。ディスクの整理整頓にも役立てることができるだろう(写真はクリックで拡大)

 "きれい録り"キャンバスレーベルシリーズは、カラーインクジェットプリンタに対応した、プリント可能なマット地のレーベルを採用したディスクである。この“きれい録り”キャンバスレーベルシリーズに、従来からのDVD-Rに加えて、DVD-RW、DVD-RAMが追加された。DVD-RWは、1〜2倍速記録対応、DVD-RAMは、2〜3倍速記録対応と、最新の高速ディスク仕様となっている。
 2004年4月からBS/地上波デジタル放送に著作権対応のコピー制御信号が加わるようになったため、デジタル放送を録画するためには、CPRMに対応したDVD-RWかDVD-RAMを使う必要が出てきた。書き換えタイプのディスクでライブラリーを作るために、キャンバスレーベルが待たれていた。そこに登場したのがこの待望の2モデルである。キャンバスレーベルは、それぞれに対応したカラープリンタと、足並みをそろえて発達してきた。そこで今回は、エプソンDVD/CDレーベル面への印刷に対応したプリンター「PX-G900」を使って、実際にカラー印刷をしてみた。
 オリジナルレーベルは、ディスクのコレクション性を高めてくれる。何も印刷されていない(あるいはロゴだけの)シンプルなディスクは、味も素っ気もないもので、そのディスクを手にしても、特別イメージが湧き上がるということはない。ところが、映画のお気にいりのシーン、歌手のポーズ、モチーフとなった風景などのレイアウトされたディスクは、突如単なる「モノ」でなくなり、特別なアウラ(存在感)を放つようになる。なぜそうなるのか。説明は簡単ではないが、人間には根源的に、絵や写真から何かを受けとる力があるのだろう。絵や写真は、モノを単なるモノではなくしてしまう力をもっている。オリジナルレーベルがコレクション性を高めるのは、その不思議な力があるためだ。
 「PX-G900」では、付属のMulti-PrintQuickerを使って、DVDのレーベルをデザインし、プリントすることができる。ディスクカラーは、主流のホワイト以外にもピンク、グリーン、ブルー、オレンジのカラーバリエーションを用意。選択肢が広がり、印刷する楽しみも増している。
 印刷してみると、ホワイトがナチュラルな色合いになるのは当然として、カラーミックスのほうは、淡い仕上がりとなって、独特のやわらかい発色となる。たとえば、ブルーのディスクを使うと、山吹色がレモンイエローのように見えるようになる、という感じである。ちょっとクールな仕上がりとなるわけだ。いくつかトライして、自分なりのカラーバリエーションを楽しむといいだろう。

「キャンバスレーベル」シリーズのタイトルプリントに活用したい各製品
EPSON インクジェットプリンター
「PX-G900」 \OPEN(予想実売価格40,000円台中頃)
【SPEC】●対応OS:Windows XP/Me/98/2000、Mac OS 8.6〜9.x/Mac OS Xv10.2.0以降(詳細はメーカーのホームページを参照) ●印刷方式:MACH方式 ●解像度:2880×1440/1440×720/720×720/360×360(dpi) ●消費電力:約20W ●外形寸法:495W×198H×307Dmm ●質量:約8.0kg ●問い合わせ先:カラリオインフォメーションセンター TEL/0570-00-4116
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CANON インクジェットプリンター
「PIXUS 990i」 \59,800
【SPEC】●対応OS:Windows XP/Me/98/2000、Mac OS 8.6〜9.x/Mac OS Xv10.2.1以降(詳細はメーカーのホームページを参照) ●印刷方式:New "MicroFine Droplet Technology" ●最高解像度:4800×2400dpi ●消費電力:約26W(印刷時) ●外形寸法:455W×183H×306Dmm ●質量:約6.2kg ●問い合わせ先:お客様相談センター TEL/0570-01-9000
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