新製品批評
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文/増田和夫

VHS内蔵DVD-RAM/Rレコーダー
DMR-E70V 
詳細
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本体前面の右下には、VHS←→DVDのダビングをワンタッチで行えるボタンが備えられている

本機はDVD-RAM/-RレコーダーとノーマルVHSビデオデッキを合体させた複合機だ。VHSとDVD間で相互ダビングが可能で、この操作をリモコンのワンボタンで行える「ワンタッチ2WAYダビング」機能を搭載している。もちろん映画DVDなどコピー禁止のソフトはダビングできないが、昔のエアチェックなどのVHSテープを手軽にDVD化できる。ダビング用に2台のデッキを用意せずに済む手軽さと省スペース性が、本機のメリットといえる。

DVD側とVHS側それぞれに、地上波TVチューナーを搭載している点も大きな特徴だ。この「ツインチューナー」を利用しVHSとDVDで別チャンネルを同時に予約録画できる「2チャンネル同時録画」機能を搭載している。本機があれば、番組が重なって裏番組の録画を諦めたり、表と裏の番組を録るために2台のデッキを用意する必要がない。残したい番組は高画質なDVDに、メモ用の番組はVHSに録画、といった使い分けもできそうだ。

同社DVDレコーダーではおなじみの「追っかけ再生」にももちろん対応している
 

本機のリモコン。大きな十字キーを備えたカバーを開けると、録画予約関連のボタンが現れる。ボタン配置や説明が的確で非常に扱いやすい

DVD側のチャンネルでは、TVと外部入力のほかVHSラインが選べ、VHS側のチャンネルには同様にDVDラインが設定されている。これらはDVDとVHSを繋ぐ窓口で、両ラインを使った相互ダビングも可能だ。

「自動タイトル作成」機能も複合機を活かす便利な機能だ。これは自動的にタイトルを生成する機能で、VHSからDVD-RAMにダビングする際には、VHSのVISS信号を検知し、自動的にタイトル分けされてDVDに録画される。DVD-RAMからVHSへの場合は、DVDタイトルごとに、VHSテープにVISS信号が打ち込まれるしくみだ。手間をかけずにタイトルが作れるので、テープのDVD化などの際に重宝するだろう。

以上の機能を活用すれば、VHSの映画ソフトなどのフィルム映像を、DVDのプログレッシブ回路にスルーさせることで、TVにプログレッシブ表示する、という裏技再生も可能だ。

DVDレコーダーの機能はベーシックモデルDMR-E50とほぼ同じで、DVD録画の画質を向上する「ハイブリッドVBR録画」機能、HDDだけでなくDVD-RAMでも録画しながら再生できる「追っかけ再生」機能や「プログレッシブ再生」機能、明瞭な音声で早聞きできる「1.3倍早見再生」機能など、充実した録画再生機能を装備している。

複合機のためリモコンはやや大型で、他のDIGAシリーズとはスタイルが異なる。リモコンの大きな十字キーが操作しやすく、ボタンの割り振りもリーズナブルで、複雑になりがちな複合機の操作を上手にまとめている。

VHS再生の画質は素直で癖の少ない印象で、ダビング向きの画作りだ。DVD側の入力TBCの性能が高く、VHSからDVDにダビングした画質はオリジナル以上に安定する。

受信可能チャンネル:VHF/UHF/CATV 
再生可能ディスク:DVDビデオ、ビデオCD、オーディオCD、CD-R、CD-RW、DVD-RAM、DVD-R 
入力端子:ビデオ2、Sビデオ1(DVD専用)、アナログ音声(2ch)2 
出力端子:ビデオ 2(内DVD専用1)、Sビデオ2(DVD専用)、D2端子1、光デジタル音声1、アナログ音声(2ch)2(内DVD専用1) 
録画時間
<4.7GBディスク使用時>XP…約1時間、SP…約2時間、LP…約4時間、EP…約6時間 
<9.4GBディスク使用時>XP…約2時間、SP…約4時間、LP…約8時間、EP…約12時間 
外形寸法:430W×89H×348Dmm 
質量:約5.7kg
消費電力:約35W


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