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営業部長の年末商戦
39人のキーマンが語る「展望と勝算」

日立マクセル

記録メディアと電池を軸に

製販一体のマーケティングを展開

日立マクセル(株)
コンシュマー営業本部
販売企画部長

田代和則氏

 記録メディアと電池が2本の重要な柱となっているマクセル。「現在はビデオ用7、データ用3の割合で推移しており、ビデオ用は前年比7〜8倍、データ用も同2倍程度で伸びています」と田代氏。数多いフォーマットのなかで、ビデオ用でメインとなっているのはDVD―RAMとDVD―R。特にDVD―RAMでは、ディスクに静電気が発生し難い独自技術の帯電防止オーバーコートを採用することによって、ダストの吸着を防ぎ、記録再生時の安全性を確保している。また、DVD―RAMでは依然として両面モデルの構成比も高いことから、DVD―RW、DVD―Rにも両面のモデルを投入している。

 独自の技術ということでは、「DVD―RやCD―Rにラインナップされているプリンタブルタイプには、スーパーファインホワイト層を採用しています。速乾性に優れていて発色も良いため、盛り上がるプリント需要に適した商品と言えるでしょう」。インクの吸収量をコントロールすることで速乾性を高め、にじみの少ない色鮮やかな発色を実現している。

 カラータイプも積極的に採用しており、ビデオ用のDVD―RAMでは、カートリッジなしモデルに5色MIX、カートリッジ付きモデルに3色MIXを投入する念の入れようだ。さらにビデオカメラ用の8cmDVD―RAMとDVD―Rを用意するなど、ラインナップは非常に豊富だ。

 CD―Rでは、トリプルプロテクターやスーパーMQ色素、PRO―X、10色MIXパックなど、様々な提案をしてきているが、新たな試みとして音楽用CD―Rに蓄光インクを採用して暗いところで光るルミナスレーベルを採用した『COLOR CLUB』を発売し、さらにバリエーションのある展開を図っている。

 記録メディアと並んで同社の柱となっているバッテリー。この9月にはアルカリ乾電池の『ダイナミック』をモデルチェンジ。特に単3形では、従来比35%の薄肉化を図った強化ボディと1BOX設計による封口部25%縮小するなどの画期的なパワータンク構造の採用で、大電流から小電流まで、あらゆる使い方で大幅な性能アップを図ったばかりだが、今回で4代目になる新ダイナミックは、正極、負極の活物質の活性化や、電解液の改良を行い、デジカメ使用時のような重負荷パルス放電性能でさらに約40%の性能アップを実現している。

 「ポータブルオーディオのように少しずつ断続的に電気を消費したり、デジカメのように瞬間的に大きな電気を使用したりと、電池の用途は様々です。今回のモデルチェンジでは、特にデジカメなどに利用されると、そのパワーを実感していただけると思います」。単3形は用途が幅広いことから、どんな使い方にも対応できることが求められる。吊り下げ型ポリパック、ミシン目入りシュリンクパックといった通常の商品に加え、ケース付きのプロモーションパックも定番化し、まとめ買いなどの需要を促進していくという。

 販促活動としては2003年9月30日まで有効な『ダイナミックマイレージクラブ』キャンペーンを実施している。これは、キャンペーンシール付き商品を購入し、そのシールに記載されている認証番号を会員サイト(http://www.dynamic.jp)にアクセスして入力していくことでポイントをチャージ。そのポイントに応じた景品がプレゼントされるというもの。パソコンや携帯など、インターネットを通じて応募ができる新しい試みだ。また、光るダイナミック型バルーン広告を乗せたトラック『ダイナミックライトアップカー』が、12月31日まで都内近郊を運行するなど、認知度アップと需要促進に力を入れていく。

 「店頭はお客様との接点において大変重要なポジションにあるわけですから、商品の開発や売り場の開発、これをご販売店様といっしょになってやっていきたいと考えています。記録型DVDメディアの店頭POPにしても、各種ハードの型番まで入っていた方が良いのではないかという声も聞かれます。こうした店頭の声を大切にし、販促展開していきたいと考えております」と語る田代氏。例えばプリンター用紙でも、現在では各メーカーごとの陳列棚が目立っているが、ユーザーから見れば用途別の方が利用しやすいはずである。品揃えや店頭の展示に関しては、来店客の客層と品選びの順位順列から考えていかなければならないというユーザー志向の考えだ。「店頭を活性化させるためのソフトウェアも開発していますので、これをご利用いただければ、商圏の解析などもできますから、商圏に合わせた品揃えができ、同じ商圏のお店とも差別化ができます」と付け加える。様々な情報を総合し、商圏、客層に合った展開を図ってく考えだ。

日立製作所
高橋憲二氏
富士写真フイルム
上田義雄氏

 

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