特集

営業部長の年末商戦
39人のキーマンが語る「展望と勝算」

シャープ

エキサイティングとスマートという

シャープならではの切り口で訴求

シャープ(株)
AVシステム事業本部
副本部長 兼 営業統括

藤本典之氏

 今年に入って本格的な液晶テレビの需要が出てきている。その背景には、同社を中心とするメーカー各社が価格を下げてきたことが大きいが、販売店においての販促努力もあって、AQUOSシリーズを月に500台以上も売り上げる店舗もあるほどだ。
 「まだ普及に向けての成長段階です。お客様に様々な用途を提案するとともに、お客様の様々な用途にも合う商品を出していかなければなりません」と藤本氏が言うように、同社の液晶テレビのラインナップは非常に多い。
 販売方法ということでは、「30インチくらいを境に、中小型の部分と、大型とでは分けて考えなければならないでしょう。特に30インチ以上は液晶のメリットをキチンと提案していく必要があります」。中小型の商品は、省スペース性を生かしてどこにでも置けるテレビ、大型の商品はリビングのメインのテレビとしての位置付けが重要になる。
 液晶テレビに関しては、2004年5月に稼動開始予定の亀山工場(三重県)に期待が集まっている。マザーガラスは1500×1800ミリという大きなもので、30インチワイドで8枚相当が切り分けられるという大規模な施設となる。本格稼動となれば30インチワイド換算で月10万台程度が見込まれていることから、大画面の薄型テレビ市場を大きく変えることになるのは間違いないだろう。

 DVD関連では、春に登場したDVDレコーダーのDV―SR100が健闘していて、この年末も継続した需要が見込まれる。さらに同社が市場を切り拓いてきたDVD一体型VTRも好調に推移している。数多くのメーカーが参入してきていて、市場は前年比270%と3倍近い伸びを見せているほどだ。
 また、同社では3inComboと呼んでいるTV、DVD、VTRの一体型も好調に推移。単なる単機能商品では価格面で海外メーカーと正面から戦うことになる。それよりも「デジタルとアナログをうまく組み合わせるなど、ユーザーにとっての付加価値のある商品が日本メーカーの生き残る道ではないでしょうか」と考えている。
 オーディオに関しては、業界が全体では80%程度で推移するなかで、同社が提案する1ビットデジタルアンプを搭載したAuviシリーズは前年アップを続け好調に推移している。「音を聴いていただければ必ずわかっていただけると思います」というように、1ビットデジタルアンプ採用のポータブルMD『MD―DS8』も好調に推移していて、高音質デジタルアンプに対する市場のニーズが高いことがうかがえる。
 さらにシアター用プロジェクターでは、XV―Z9000、XV―Z90/SのといったDLP2機種3モデルに加え、年末までにはDLPの高級モデル1モデルを投入し、全3機種4モデルのラインナップとなる。40インチまでは液晶、50インチまではプラズマ、そして100インチ以上も可能なプロジェクターと、画面サイズや用途に応じた豊富な映像表示関連機器を提供している数少ないメーカーだ。
 このように、同社のAV機器関連は総じて前年アップを続けているなか、苦戦しているのはビデオカメラだが、来春には新製品を投入し、大きく巻き返しを図っていく考えだ。
 ラインナップが揃ってくる一方で、新規商品が多いため、商品選びはもちろん、使いこなしや周辺機器の訴求など、店頭では様々なフォローが必要になってくる。「液晶テレビの表示画素数や、DVDのフォーマット、通信との関係など、デジタルによって市場が大きく変わるなかで、お客様にはわかり難くい市場になってしまっています。我々メーカーとしてもきちんと伝えていかなければならないところが多いですね」。
 AQUOSやAuviなどで積極的に店頭を作ってきた同社では、これまで同様、さらにわかりやすい売り場を目指していくという。
 これらAV機器を総合的に展開するにあたり、『エキサイティング』と『スマート』という切り口から訴求していく。

 『エキサイティング』という切り口では、大画面、高画質、高音質で、迫力や臨場感、感動といった部分を訴求。100万人の店頭コンサート≠ニ題して1ビットオーディオの音を訴求していくなど、具体的な活動もすでに始まっているほどだ。
 一方『スマート』では、省エネ、省空間、使い易さ、長寿命といった、環境や人にやさしい部分を訴求していく考えだ。
 高画質、高音質というだけではなく、環境までをも視野に入れた本格的な展開が始まろうとしている。

三洋電機
山口信義氏
ソニーマーケティング
吉藤英次氏

 

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