特集

営業部長の年末商戦
39人のキーマンが語る「展望と勝算」

三洋電機

プラズマテレビで増産の構え

昨年の5倍は必ず売りたい

三洋電機(株)
マルチメディアカンパニー
販売事業部
国内営業統括部長

山口信義氏

 同社では9月から10月にかけて、プラズマテレビの新製品を7機種投入する。10年ほど前に販売した「帝王」という商品のユーザーが買い替えを考える時期と重なり、山口氏は「年末では昨年の5倍は売れるはず」と大きな期待を寄せている。戦略的にも「三洋セールス&マーケッティングと協力して9月から11月の間、地域店で一万台を目指そうと、色々作戦を推進している最中です。また、量販店にはバイヤー向けの展示会、商談会を積極的に展開し、できる限り多くのご販売店様に展示、拡売をお願いしています」。
 新製品では、「和のイメージ」と「洋のイメージ」を提案し、「他社では私どものような明確なイメージ戦略を行っているところはありませんから、実際に店頭でそれぞれのイメージをお客様に伝えるために、この2つのイメージを同時に展示していただけるようお願いしています」と他社との差別化にも力を入れている。
 「画質が綺麗なのは当たり前です」。新ALIS方式のパネル(42・32)に加えて、独自の技術を搭載した映像回路で「なめらかでメリハリのある画像」を実現している。メインは42インチ。激しい競争が予想されるゾーンだが、同社ではイメージに於ける提案性のほかにも、他社との差別化を図るために、『音』に於ける様々な工夫を製品に施した。

 新製品ではディスプレイのすぐ下にスピーカーを設け、横幅の広がりを押さえた省スペース化を図りつつ、スピーカーはトゥイーター、スコーカー、スーパーウーファーの組み合わせの木製密閉型で、アンプは1ビットのデジタルアンプを搭載、総合出力40Wを実現している。「お客様にはすぐ音の良さが判って頂けるような音づくりをしております」。
 また、人間の声が周りの音に影響を受けないような回路も組み込んだ。このように、テレビの音としての聞き取りやすい音の開発には、グループ内のオーディオの専門会社などで結成された 専門チームの能力が惜しみなく注がれている。
 ホームシアターのディスプレイとして、プラズマディスプレイと同様、システムの核となる液晶プロジェクターにおいては、「プラズマテレビほどのお客様の認識度はありませんので、展示の仕方に工夫を凝らして、液晶プロジェクターもテレビの延長線上にある商品なんだと、言うことを判りやすくお伝えしていきたいですね」と見せ方にこだわる。具体的には、通常のテレビのサイズやプラズマのサイズに合わせた画面をスクリーンに映し出し、比較してもらう。その時の画面サイズは30インチと50インチ。それから本格的なホームシアターとしてのイメージ付けとして100インチ近い画像をスクリーンに映し出す。「6畳間で100インチワイド画面」により、「お客様の認知度も上がってくれるはず」と認知度向上の仕掛けにこれまで以上の思いを注ぐ。製品そのものにおいても、コントラスト比を800:1に向上させたり、静音レベルにおいても28dBに抑えるなど、業界ナンバーワンの品質に仕上げた。画質を損なうことなく画面の位置調整ができるレンズシフトなど他社との差別化も図っている。デザインにおいても「スライドモーションドアを採用し、使わないときはドアがレンズの保護をする機能を持ちながら、滑らかで丸みのあるやさしいフォルムで、インテリアにもフィットするようなデザインを採用しました」と使用しないときのインテリア性にも配慮した商品となっている。
 デジタルカメラでは、200万画素のDSC―MZ3と、400万画素のDSC―AZ3の2本柱で年末は戦ってゆくと言う。「動画のスムーズさ、画質の綺麗さをお伝えしながら、クイックレスポンスと言った操作性の高さもセールスポイントとして訴えていきたい」と考えている。

 この他の商品では、「ICレコーダーにも力を入れていきます。ICR―B40が好調なので、今後はICレコーダーとメモリープレーヤーのいいところを組み合わせた製品を投入していきたい」といった貪欲さもうかがわせる。
 さらに、標準画質タイプのデジタルテレビも進めていくと言う。年末までに4機種を投入する予定で、ワイドで28、32インチ、4:3では25、29インチを発売する。
 「いい商品を作れば、必ず売れます。そのために、当社では全社的なプロジェトとして新商品横断化プロジェクトを推進していきます。部門間の垣根を取り払い、共に協力し合い、情報を共有し開発から販売までをトータル的にサポートしていけるような体制を整えていきたいと思っています」と語り、これまで以上に一丸となった同社の商品及び販売戦略は、今年末にも実を結びそうな勢いを見せている。

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