優秀録音ハイレゾ音源レビュー

キーワード検索
詳細検索 [→条件絞込検索へ]
曲名50音検索 ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 ワ行

Fly or Die Fly or Die Fly or Die((world war))

Jaimie Branch ジャズ FLAC
48kHz/24bit
レーベル:rings 配信サイト:e-onkyo music

■高橋 敦レビュー
2022年に39歳で亡くなったトランペッター、ジェイミー・ブランチさんの遺作となったアルバム。亡くなった時点でミキシングまではほぼ完了。そこからご家族やバンドメンバー、レーベル関係者がミキシングの微調整やアートワーク、そしてタイトル決定などを引き継ぎ、本作の完成を成し遂げたとのことだ。一応は「ジャズ・トランペッター」と紹介されることが多いミュージシャンだが、それは便宜上のことと言えるだろう。現代の幅広いジャズの中にはこういったサウンドも含まれるにしても、このサウンドをジャズとは認識しない方も少なくはないはず。例えば何曲かで聴けるボーカルの中にはニューヨーク・パンク的なニュアンスを感じさせるものもあったりするし、ミクスチャー感ということで言えば初期レッチリやSUPER JUNKY MONKEYに似たところもあるかもしれない。
オーディオ的に特に心地よいと感じたのはドラムスの空気感、奥行感の豊かさ。少し大袈裟に言えばLed Zeppelin「When The Levee Breaks」のようなあの感じだ。おそらくは十分な距離からのオフマイク成分を多めに使っているのだろう。ドラムの各パーツごとの鳴りではなく、ドラムスというひとつの楽器全体としての響き。そのように捉えられたサウンドだ。さらにはベースも音色、フレーズ、ミックスによってそのドラムスと溶け合って合体。その渾然一体のリズムを楽しむためにあえて、解像感重視ではなく勢い重視なダイナミック型イヤホンやヘッドホンで聴くのもありかもしれない。
(FLAC 48/24にて試聴)

総合点 9.4
低域の伸び9.3点 高域の伸び9.3点 セパレーション9.2点 ディテール9.3点 透明感9.2点 空気感9.5点 質感9.3点 静寂感9.2点 残響 奥行き 音像 アタック