優秀録音ハイレゾ音源レビュー

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ブルックナー:交響曲第5番

指揮:クリスティアン・ティーレマン、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 クラシック FLAC
96kHz/24bit
レーベル:Sony Classical 配信サイト:e-onkyo music

■山之内 正レビュー
ティーレマンとウィーンフィルのブルックナーは今回の第5番が5番目のリリースとなる。ユニテルとORFが共同制作したこの録音は2022年3月の演奏会の際にライヴ収録されたもので、これ以上は無理と思えるほどの最弱レベルのピチカートから始まり、終楽章クライマックスの強靭なフォルティッシモに至るダイナミックレンジの大きさは聴き手の想像を大きく上回る。ムジークフェラインザールの響きと遠近感を忠実にとらえつつ、演奏の細部もくもりなくとらえた自然な録音で、特徴的な残響の存在はすぐにわかるものの、エコーが過剰になることはなく、全体の見通しの良さが際立っている。ホルンの間接音の広がりやステージ上方に浮かぶ弦楽器の余韻の雲など、ハイレゾならではの豊かな空間情報にも耳を傾けたい。
(FLAC 96/24にて試聴)

総合点 9.4
低域の伸び9.4点 高域の伸び9.3点 セパレーション9.3点 ディテール9.4点 透明感9.5点 空気感9.4点 質感9.4点 静寂感9.4点 残響 奥行き 音像 アタック