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■DVD録画「クオリティ編」 Q&A集
<Q>DV端子を使用したデジタルコピーのクオリティは?

アナログ接続との比較は劇的な差が見られず

パイオニアDVR-7000で実験。使用したメディアはTDKのDVD-RW(クリックで拡大)

DVD録画の用途のひとつに、DVカメラで撮影した映像・音声をディスクに記録して保存するという楽しみ方がある。ディスク化する理由は、保存・管理のしやすさ、配布しやすさなど、いろいろ考えられるが、制約を承知のうえなら、撮影済み画像の編集にも使えないことはない。
 
DVの画像・音声をDVD化する方法は、アナログ接続とデジタル接続の2種類あり、後者はDV端子を搭載したDVDレコーダーでのみ行うことができる。単体DVDレコーダーではDVR-55などが該当し、ハードディスクとのハイブリッド機では、上位機のDVR-77HやDVR-99Hなどが利用できる。

アナログ接続の場合は、DV信号をいったんD/A変換し、レコーダー側で再度MPEG信号にデジタル変換することになる(音声はドルビーデジタル)。一方、デジタル接続の場合は、DV信号をデコード後、MPEG/ドルビーデジタル信号にデジタル-デジタル変換するプロセスが入る。いずれにしても信号形式を変換する必要があるので、ある程度の画質・音質の劣化は避けられない。問題は、どちらが劣化の度合いが小さいのかという点である。実際に検証してみることにしよう。
 
DV端子を積んだDVR-7000、DVR-3000、DV-SR100で、それぞれデジタル接続とアナログ接続の違いを比較してみた。DVカメラはパナソニックのNV-MX2000を使用し、カメラとDVDレコーダー間を、i.LINK(DV)またはアナログで接続する。

DVR-7000の、シースルーの画面が涼しげなDV取り込み画面。イラストを多く採用して、視覚的に操作が行える(クリックで拡大)

結論から先にいうと、ダビング方法による画質の差は、予想したほど大きなものではなかった。デジタル接続の方が有利かと思われたが、少なくとも解像度の点ではそれほど優位性は見られず、むしろアナログ接続の方が素直な遠近感を見せるシーンも少なくなかった。デジタル接続にもよさはあり、コントラストや暗部の色付きの点で、健闘している印象がある。シャープのはっきりしたコントラスト感、パイオニアの落ち着いた階調再現といった具合に、接続方式よりも、むしろレコーダー間の差の方が大きく感じた。

音質については、今回試した環境では、どのレコーダーについても、アナログ接続の方が自然な臨場感があり、音の定位も明瞭で、全体にデジタル接続を上回る結果となった。
 
一部のモデルは、DVをデジタル接続した際に、シーンの変わり目を自動検出して、自動的にプレイリストを作成する機能を搭載している。この機能を利用すると、不要なシーンの削除や並べ替えが簡単にできるので、撮影した素材の簡易編集に重宝する。