新製品批評
Phile-web >> 製品批評 >> パイオニアDVDレコーダー


■DVD録画「クオリティ編」 Q&A集
<Q>アナログビデオをDVD化するとどうなるか?

解像感、奥行き感は後退。ノイズ軽減で見やすさ向上

ビデオデッキでそのまま再生するよりも、一度DVDに録画した方が、入力TBCなどの効果により高画質で再生できる場合がある

ビデオテープにエアチェックした番組をDVDにコピーし、ディスクで保存しておきたいというのは、DVDレコーダーを購入する動機の一つになる。一般的に、保存スペース、耐久性、いずれもDVDの方が有利なのはたしかだし、再生する時の使い勝手も向上する。実際に、手持ちのビデオテープを次々にDVD化しているエアチェックユーザーも少なくないはずだ。ダビング方法は、アナログ接続で行う普通のビデオデッキ同士のダビングと変わらない。注意すべき点は、ダビングする番組の長さに合わせて、DVDレコーダーの録画モードを適切に設定することぐらいだろう。
 
ところで、S-VHSからDVDへのダビングで、画質はどう変化するのだろうか。ビクターのHM-DH35000とDVDレコーダーを接続して、実際にダビングを行ってみた。オリジナルのクオリティをできるだけ損ないたくないが、テープ1本分の番組をそのまま1枚のディスクに記録するという仮定のもと、DVDレコーダーの録画モードをSPに設定した。
 
この条件では、元映像にあった僅かな色ずれは残っているものの、細かいノイズはかえってDVDの録画画像の方が少なく、全体にすっきりした映像を見せる。輪郭のちらつきやジリジリとしたノイズも少なく、見通しがいい。同じアナログ接続でも、アナログビデオ同士のダビングに比べると、DVDにダビングした方が品位は高いといえる。録画モードをXPにすると、さらに安定感が上がり、ダビング映像に特有なべたつきも気にならない。もちろんオリジナルの映像と比べると、解像感や奥行き感は一段階後退している。だが、ノイズやざわつきが減っているので、全体的な印象としては、かなりの高画質ダビングといえる。
 
試しに3倍モードで記録したS-VHSをDVDレコーダーにSPモードでダビングしてみたが、こちらも予想以上に安定感が高く、少なくともエッジノイズもカラーノイズもほとんど増えていない。暗部のもやもやとしたカラーノイズは、むしろDVDの方が少ないぐらいだ。古いテープでジッター状の揺れもあるのだが、ダビング後は、その揺れも若干落ち着いている。これは、DVDレコーダーに装備された入力TBCの威力と考えていいだろう。簡易的なものも含まれるが、他のDVDレコーダーもTBCを搭載する傾向があり、アナログビデオのダビングをかなり意識していることをうかがわせる。
 
ひとつだけ気になったのは、HM-DH35000とDVDレコーダーの組み合わせでダビング中、番組の切れ目やCMが入る場所でDVDレコーダー側の録画が停止し、「コピーガードがかかっています」と表示されるケースがあったことだ。なんらかのノイズをコピーガード信号と誤検出しているのかもしれない。