新製品批評
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【テスト機材】
HDD搭載DVD-R/RWレコーダー
PIONEER「DVR-77H」
\OPEN(予想実売価格14万円前後)

『AVレビュー』で大好評連載中の「SUPER HITMODEL LONGRUN CHECK」ウェブ特別版をお届けする。DVR-77Hをオーディオビジュアル評論家・増田和夫氏が長期試用して様々なテストや実験を行い、その結果をレポートする。


第1回:長期テスト開始にあたって


AV評論家
増田和夫氏

PC、インターネット雑誌を舞台に活躍するライター。ホームビデオは黎明時代から熱中し、現在は自宅ロフトにプロジェクターを置く。

「待った甲斐があった。期待以上に充実していそう」というのがDVR-77Hのファーストインプレッションだ。DVR-77Hはパイオニアが満を持して放ったDVDハイブリッドレコーダーである。80GBのHDDとDVD-R/-RWドライブ+アナログBS・地上波TVチューナーを搭載した録画機だ。同社初のハイブリッド機ということでパイオニアファン待望のモデルといえそうだ。録画デッキファンの筆者としては、ハイブリッド機は、やはり多芸でないと納得できない。本機はこの点で期待を裏切らない出来といっていいだろう。極端にマニアックではないが、多機能リモコンと本格的なGUIを眺めているだけで、本機がハイブリッド機に相応しい豊富なファンクションを備えていることが判る。従来の同社のDVD録画機とは一線を画した新世代のデッキに仕上がっていそうだ。パイオニアらしい丁寧な作りとモダンなデザインも気に入った。

「なかなか凝っている」その基本スペックを見るとさらにそう思えてくる。4段階の録画モードでHDDに最大約102時間・DVDに最大約6時間録画できるほか、32段階のマニュアルビットレート設定も可能。最高レートではリニアPCM録音もできるなど、AVファンの細かいニーズに応える録画モードを採用。VBR(可変ビットレート)録画や任意の録画停止(ビデオモード録画時)など、同社のDVDレコーダーの課題もしっかりキャッチアップしている。HDDでの追いかけ再生、HDD編集→DVDへの高速ダビングはもちろん、高速ダビング中のHDD録画・再生など、独自のアイデアも盛り込まれている。

そして、なんと言っても「ダビングが速い!」これが本機の最大のアドバンテージだろう。DVD-Rで4倍速、DVD-RWで2倍速という最新の高速ドライブを搭載。高速記録対応ディスクを使えば、HDDからDVDへ最大24倍(EPモード・DVD-R録画)での高速ダビングを実現している。DVDドライブメーカーである同社ならではの最新装備といえそうだ。回路的にはプログレッシブ再生や10bit/54MHz映像DACを搭載し、DVDプレーヤーとしても遜色がない。TBC、3次元Y/C分離回路、DV入力端子など録画回路の基本もしっかり装備している。

ハイブリッド初号機にして、ここまで高機能なモデルをリリースするあたりに、ディスクメディアに賭けるパイオニアの意気込みが感じられる。このように第一印象は、なかなか魅力的だが、ハイブリッド機の実力はスペックだけでは判らない。多機能なハードウエアを、GUIなどのソフトウエアでどうまとめ上げているか?つまり操作性と自由度の高さが大きなチェックポイントになるからだ。録画予約や編集・ダビングなどのGUIを実際に触って、その実力をロングランチェックしてみよう。

第1回 

長期テスト開始にあたって

第2回  基本操作をチェック
第3回  録画時の設定・画質をチェック
第4回  DVDプレーヤーとしての実力は?
第5回  本機のダビング機能を使いこなす
第6回  本機のダビング機能を使いこなす