ソニーからUSB搭載のアナログレコードプレーヤー「
PS-LX300USB」が登場した。これを使えばアナログレコードの音源をデジタル化してパソコンに取り込んだり、音楽CDに保存できる。メモリーやHDDを使った携帯音楽プレーヤーが全盛の昨今において、「いまさらアナログプレーヤーなんて使うの?」という声も聞こえてきそうだ。しかし30代半ばより上の世代にとって、音楽と言えばアナログレコードが主流で、「一番思い入れのあるアルバムはアナログレコードで聴いた」という読者も多いことだろう。
多くの音源がCDで復刻され、さらにデジタルリマスターなどの処理により、懐かしい音源が高音質で楽しめるようになったが、一方ではアナログレコードでしか聴けない音源はいまだ数多くある。そんな音源をデジタル音楽時代に蘇らせることができるのが「PS-LX300USB」だ。今回は筆者のように、この手の製品の登場を心待ちにしていた人のために、本機の基本機能を速報しよう。
本機を使ってみて、実に素晴らしいデジタルガジェットだと感じた。AV機器というにはややチープな造りで、音質を追求する向きにはオススメできないが、手軽にアナログレコードの資産をデジタル化する用途にはうってつけの1台だ。本製品を開発するにあたり、社内からは反対もあったように推測できるが、よくぞ製品化してくれたと拍手を贈りたい。
ただ一方で気になるのは付属ソフトの使い勝手。レコードをCD化するには不満はないが、CDDBへの対応、トラック分割の精度など、ちょっとしたユーティリティー部分のツメが甘いと感じた。たとえば、録音後、AB面の余白を自動的に検知して、削除するような機能はつけられないのだろうか?
今回のような入門向けセットも歓迎するが、DDドライブ、フルオートの高級プレーヤーにUSB端子をつけ、それと連動して動作する、しっかりとした録音ソフトがあればさらに本機が提案する楽しみ方の世界が広がるように思えた。
アナログレコードの音はCDよりも中低域が豊かで、まろみのある音が楽しめる。いくつかのアナログレコードをCD化したが、けっこういい音で楽しめたのには驚きだった。繊細さではCDの音質にはかなわないが、レコードの音源をCDに記録すると、なんだか聴き疲れしないように感じた。休日の午後に昔聴いたレコードのジャケットを眺めながら、しばしのコーヒーブレイクとしゃれ込んでみてはいかがだろう。家に聞かなくなったアナログレコードがあるなら、1台購入すると懐かしい昔にタイムスリップできること請け合いだ。今後も本連載の中で、機会があれば本機をさらに深掘りしてみたい。
−次号の掲載は4月8日(火)を予定しています。どうぞお楽しみに!−