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ビックカメラ 新宿西口店
「フルワイヤレスイヤホンカウンター」

一カ所完結の強みを存分に発揮
日々に寄り添う嗜好品ビジネスへ


オーディオ・ビジネスの屋台骨とも言えるイヤホン・ヘッドホン。その牽引役として期待が高まる急伸長のフルワイヤレスイヤホンへ積極的な取り組みを展開するビックカメラ。同社が強みとする「フルワイヤレスイヤホンカウンター」を早くから導入する「新宿西口店」を取り上げる。

年配層からも高い関心
課題解決でさらに弾み

オーディオコーナーの売上げの柱へと成長したイヤホン・ヘッドホン。ブルートゥースワイヤレスイヤホン、フルワイヤレスイヤホンを牽引役に、「伸び率は半端ない」と勢いが止まらない。一昨年9月発売のiPhone7でイヤホン端子が廃止されたことを契機に急速に伸長を見せるブルートゥースイヤホン。「デザインや用途にあわせて選べる選択肢の広さ、優れた携帯性など、今ではヘッドホンを圧倒しています」と語る見原氏。

成長著しいフルワイヤレスイヤホンは、9月に登場した新型iPhoneからイヤホンジャック変換アダプタが非同梱となるなど追い風が吹く。イヤホンと言えばコードがあるのは当たり前。フルワイヤレスの認知もまだ決して高いとは言えない中で、「先頃のサッカーワールドカップでも、選手が耳に差している白いもの(AirPods)は何だと問い合わせが増えました」とさらなる市場拡大を確信する。イヤホン・ヘッドホンの売り場には若いお客様を多く見受けるイメージがあるが、「フルワイヤレス登場後の大きな変化のひとつは、これまで関心を示さなかった年配のお客様が増えていること」とユーザー層拡大も見逃せないポイントだ。

ブルートゥースイヤホンとの比較では、「接続の安定性」「バッテリー持ち時間」「音声遅延」をウイークポイントとして指摘。「スマホで映像配信サービスを楽しまれる方が増えていますが、音声の遅延は致命的です。ただし解決も時間の問題で、さらに弾みがつくはずです」。

ビックカメラ
新宿西口店 主任
オーディオコーナー
見原孝幸氏

新宿西口店の「フルワイヤレスイヤホンカウンター」は5月11日に開設。4月28日に設置されたラゾーナ川崎店、名古屋JRゲートタワー店に続く、3店舗目の導入となる。現在、60〜70アイテム、カラバリを入れると100アイテム以上を揃える

関連性の高いスマートフォンコーナーと隣接する位置関係。イヤホン・ヘッドホンでは、主な比較対象となるブルートゥースワイヤレスイヤホンと向かい合う


ぐるりと囲んだ「ショーケース」それぞれに、「人気商品」「新商品」、「スポーツ向け」「女性向け」「防水」、「エントリークラス」「ミドルクラス」「ハイクラス」など、用途や価格帯別にわかりやすくまとめて商品を展示する

価格相応の価値を
納得させる見せる力

機を敏に捉え、フルワイヤレスへの取り組みを足早に強化するビックカメラでは、対面式の「フルワイヤレスイヤホンカウンター」の導入を急ピッチで進める。カウンター対応は時計等ですでに実績・ノウハウがあり、対面接客を強みに「しっかりお客様の目を見て一から十までご案内できます」と“1カ所完結”のメリットをアピールする。「普通のイヤホンとはどこが違うのか」「着け心地・聴き心地はどうなのか」「外れてしまわないのか」などの疑問を解消。「自分でも実際に試して、価格帯はじめ機能や使用シーンを軸にあらかじめグルーピングし、お客様目線で的確な商品をご案内できるように心掛けています」と語る。

以前は防犯の観点からもケースに鍵をかけて展示。お客様が商品を試したくても販売員を捕まえられないケースもあった。「郊外店は来店頻度が低いことからお待ちになられても、駅前型店舗は頻繁に足を運ぶこともあり、また明日、或いは、隣の店でとなってしまいます」と販売ロスも回避する。

約100アイテムがわかりやすく展示されたショーケース

出だしこそ数機種しかなかったフルワイヤレスだが、今では品揃えも充実、価格帯も7,000円前後から4万円台にまで広がる。安い価格帯の商品がここにきて増えているが、商品をこだわり選択するお客様が多く、価格差=性能差・使い勝手の差となることから、売れ筋の中心価格帯は2万円前後と比較的高めに推移する。アップル「AirPods」、ソニー「WF-SP700N」、ボーズ「SSportFree」、スポーツ用ではJabraやJAYBIRDなどの人気が高く、数万円の価格にも抵抗感なくスムーズに購入されていくお客様が多い

人気商品

新商品

スポーツ向け

女性向け

防水

エントリークラス

ミドルクラス

ハイクラス

当面のテーマは、対面カウンターの“隔離される”デメリットの解消。例えば、フルワイヤレス同士の比較は効率的に行えるが、要望の多いブルートゥースフルワイヤレスとの比較では、カウンターを離れて同コーナーまで足を運ぶ必要があり、よりスムーズな動線を検討中だ。時計コーナーやカメラの交換レンズの「レンズバー」など、高級品を扱う1対1をイメージしたフルワイヤレスイヤホンカウンターだが、「例えば八百屋のように、1対多数の接客を持ち込む手法も考えられます。そうしたノウハウはまだなく、ブラッシュアップして進化させていく余地はもっとあるはずです」。

現在は導入を32店舗(10月19日現在)まで増やし、裾野を広げる“横”の展開がメイン。今後、オーディオ取り扱いの全店舗への導入を目指すと同時に、深掘りした“タテ”の展開を進めていく。

メーカー協力のもと、特定商品に特化し、多くのお客様に手軽に体感いただく試聴会等も積極的に開催し、顧客接点の強化を図る。「比較的金額が高いため、自分には関係ない高額商品というイメージで敬遠されない工夫も大事。価格に相応する付加価値やメリットを、それぞれのお客様の予算感の中できちんと実感、納得いただける対応力や見せる力が求められます」と訴える。

スマホとともに、生活に寄り添う身近な商品となるだけに、「消耗品ではなく、嗜好品として理解いただきたいですね。毎日食べるご飯に、炊飯器には投資を惜しまず、美味しく炊ける高級機をお求めになる方が多いように、イヤホンもまったく同じです。音楽にももっとご満足いただきたい」と市場創造へ意気込みを示した。(本誌編集部・竹内純)

紛失を防止するネックストラップやイヤーフックストラップと共に、ビックオリジナルのAirPods用シリコンジャケットも人気を集める。丁寧に扱うユーザーが多いことから要望が高いという

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