上級機に迫る余韻を表現
本機は、ステレオ再生系とマルチch再生系の相互干渉を抑えることにこだわりを見せた。高級CDプレーヤーの進化形としては当然の配慮といっていいだろう。センター、リア、サブウーファーの各chは基板から出力端子まで独立させ、さらにステレオソース再生時は、これら使用していないchの電源を遮断し、再生音への影響を未然に防ぐ。CDやステレオ収録のSACDを聴くときは、2ch再生機として動作するというわけだ。
その一方で、マルチch再生の利便性にも配慮を怠らない。スピーカーのサイズとレベル調整機能を追加したことそのひとつ。もちろん固定出力も選択できるが、組み合わせるアンプの性能によっては、プレーヤー側で調整した出力を取り出す方が有利な場合もある。
CDの音調は、芯があり、彫りの深い力強さの一方で、きめの細かさ、繊細なニュアンスの再現力も兼ね備える。オーケストラはどの楽器も輪郭がぼやけず、粒立ちがいい。ステレオ録音のSACDをかけると、音場の深さを伝える空間情報の豊富さに感心する。特に太鼓の深い響きと、左右スピーカーの幅を超えた余韻の広がりは、上級機のDCD-SA10に迫るものがある。マルチch収録のSACDは、CDを聴いたときに感じた力感に共通する、張りのあるエネルギー感がある。内声部から低弦までリズムの構造がクリアに浮かび上がり、音楽の構造を果敢に描き出してみせた。

大型RCA端子を採用したリア部。筐体には、振動吸収材を貼りつけた焼結合金製の大型インシュレーター、三重構造のボトムカバーを採用

【SPEC】
【SPEC】●アナログ出力ch数:6ch(最大、SACD)、2ch(CD) ●再生周波数範囲:2Hz〜100kHz(SACD)、2Hz〜20kHz(CD) ●再生周波数特性:2Hz〜50kHz(-3dB、SACD)、2Hz〜20kHz(CD) ●SN比:113dB(可聴帯域、SACD)、118dB(CD) ●Dレンジ:107dB(可聴帯域、SACD)、100dB(CD) ●高調波歪率:0.0008%(1kHz、可聴帯域、SACD)、0.0017%(CD) ●出力レベル:2.0V(10kΩ) ●デジタル出力(CD):同軸、光 ●信号方式:1ビットDSD(SACD)、16ビットリニアPCM(CD) ●fs周波数:2.822MHz(SACD)、44.1kHz(CD) ●消費電力:28W ●外形寸法:434W×135H×340Dmm ●質量:14.9kg ●問い合わせ先:(株)デノン TEL/03-3837-8919