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PANASONIC「TH-AE700」\OPEN 本体色は明るめのシルバーに変更された。排気口は前面に設けられている
デジタルインターフェースはDVI-DからHDMIに変更された

前モデルTH-AE500でホームシネマの普及に大きな貢献をしたパナソニックが、更なるフィルム映像の再現性向上と、ユーザーフレンドリーの改善を目標として完成したのがこのTH-AE700である。AE500に引き続き、ハリウッドのカラーリスト、デビッド・バーンスタイン氏のもとに製品を持ち込み、綿密な検証と色再現の合わせ込みを行っている。

AE700のまず機構的な改善だが、かねてから要望の強かったレンズシフトを導入した。100インチ投写でのシフト量は、上下±78cm、左右±55cmと少なめだが、レンズの光学性能に負担をかけない範囲にとどめ、かつ実際の設置状況を調査して過不足のない量に設定した。

その実態調査で明らかになったのはむしろ投写距離の不足であり、「ウォールtoウォール」「オンシェルフ」での簡易常設に対応するためズーム倍率を上げる必要があると判断、このクラスの製品としては最大といえる2倍ズームの採用に踏み切った。これにより最短3.1m〜最長6.2mの設置位置からの100インチ投写が可能になった。蛇足ながらこのレンズで見逃せないのは3.1mという最短投写距離を維持しつつ、それを前提とした広角系高倍率ズームを開発したことである。シフト量よりもズーム倍率を優先した設計陣の選択に賛意を示したい。

パネルやランプの冷却構造についても再検討がなされ、効率的な吸排気の仕組みが完成、ランプパワーを落としたエコノミーモード投写で26dBという静音化を実現している。

光学2倍ズームを搭載したことにより、図のように長めに投写距離をとって設置することが可能になった。レンズシフトと相まって幅広い設置エリアを確保している   自照式に対応したリモコン。方向キーが大きめで操作しやすい。下部にはシネマカラーマネージメントのボタンが見える
 
本体上部は必要最低限のボタンが配置されている。MENU+十字ボタン+ENTERで基本操作をすべてカバーする   ジョイスティック操作により直感的にレンズを上下左右に移動させることが可能

画面サイズと投写距離の関係
 
40
60
80
100
120
150
200
16対9スクリーン
1.2〜2.4
1.8〜3.7
2.4〜4.9
3.1〜6.2
3.7〜7.4
4.6〜9.3
6.2〜12.4
4対3スクリーン
1.5〜3.0
2.2〜4.5
3.0〜6.0
3.8〜7.6
4.5〜9.1
5.7〜11.4
7.6〜15.2

TH-AE700 SPECIFICATIONS
●表示デバイス:0.7型液晶パネル(16対9)
●解像度:1280×720
●ランプ:新130W UHM
●明るさ:1000ルーメン(ダイナミックアイリスON時)
●コントラスト:2000対1(ダイナミックアイリスON時)
●投写レンズ:マニュアル光学2倍ズームレンズ/フォーカスレンズ
●レンズ:F1.9〜3.1、f21.7〜43.1mm
●レンズシフト機能:水平、垂直
●入力端子:ビデオ×1系統、Sビデオ×1系統、RGB(PC)×1系統、コンポーネント×1系統、D4端子×1系統、HDMI×1系統ほか
●台形補正機能:垂直 ●消費電力:180W(スタンバイ時1.8W)
●外形寸法:幅33.5×高さ9.5×奥行き27.0(突起部除く)cm、幅33.5×高さ10.4(脚含む)×奥行き29.0(レンズ含む)cm
●質量:3.6kg
●問い合わせ先:パナソニックお客様ご相談センター フリーダイヤル/0120-878-365