第4回：DVDプレーヤーとしての実力は？
DVDプレーヤーとしての能力はどうか？10ビット／54MHz映像DACを搭載し、プログレッシブ回路は、高級DVDプレーヤーDVD-S747Aと同じ「VQE7」LSIを採用している。映像DACだけを見ると中級機といえるが、輪郭表現が素直で無理な誇張感がない、にも関わらず情報量は確保されている。こうした映像処理のセンスは今日的で、パイオニアの最新機種のことだけはある。
映画ソースのプログレッシブ化では、安定した腰のある映像になる。横線のちらつきが少なく、斜め方向の情報量も確保できている。ソースによっては、ややドライな印象で、人肌などにNRがかかりすぎる嫌いもあるが、細部の情報は確保されている。SF映画「コンタクト」では、緻密で壮大な宇宙CGを端正に描く。戦争映画「エネミーライン」のアクロバティックな戦闘機ドッグファイトも破綻なく再生し、5.1ch音声の驚異的なスピード感も十分に堪能できた。映像のリアリティからすると高級DVDプレーヤーのような「凄み」のレベルまでは到達していないが、再生機としてエントリーモデルを越えた描写性を備えている。
ビデオソースのプログレッシブ化では、横線などにごく僅かにちらつきが出るが、プログレ化の難しいビデオ素材にしては頑張っているほうだ。ビデオでもNR処理が優秀でアニメやCGなどをクリアに描く。TV録画もプログレ化して違和感なく楽しめそうだ。
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