製品批評

新開発光学システム「AISYS」が高画質と小型化を両立

スタイリッシュ・プロジェクター群で人気の高いキヤノンから注目のモデルが登場した。LCOS(反射型液晶)を初めて採用したパワープロジェクターSX50である。パネルの画素数はSXGA+(1400×1050ドット)と多く、注目はそのコンパクトさだ。ポータブルサイズに反射型液晶プロジェクターをまとめ上げ、大きく、重く、持ち運びに向かない、というこれまでの常識を覆した。

それを実現したのが独自に新開発した「AISYS(Aspectual Illumination System、エイシス)」と呼ぶ光学部である。AISYSはLCOSの光反射特性に着目、ランプ光を効率良くパネルに導き、コントラストを抑え、レンズと光路設計の最適化を図るもの。核心はパネルの入射角依存性を見い出し、正しく偏光処理を行なわせたことだ。そのアイデアは、水平方向の光と垂直方向の光の収束方法を別々にしたこと。LCOSの特性で水平光は光分離用の素子PBS(Polarization Beam Splitter)で光漏れを起こしやすく、垂直光は光漏れが少ないという違いから作り込んだ光学システム。なお投写レンズは本体サイズに合わせコンパクト設計としながらも、1.7倍という高倍率ズームレンズを採用した。SXGA+という多画素パネルに描かれる高精細な文字なども、しっかり描き出せるレンズ性能を備えており、はっきり、くっきりと表示できる。

色再現性の面も、従来から白の美しさで定評のあるメーカーだけに、今回のLCOSモデルSX50でも色の均一性を求めている。それが色のかぶりのないきれいな白の表現につながり、純度に優れたきれいな色の表現を実現した。この色の最適な調整のために6軸調整機能や、シーンに合わせ自動補正するダイナミックガンマ、さらにsRGBモードを用意と色の再現性に神経を注ぎ、特に同社のユーザーに多い、正確な色再現性を必要とする先端の映像クリエーターやデザイナー、また医療分野に配慮する。加えて、今回のSX50は高精細化を実現したことからもCADデザイナー、またフォトスタジオなども新ユーザーとして候補に上がるし、活用も期待できる。

画質チェックでは、LCOSの良さである画素の滑らかさによるフィルム質感が確認できたし、色の良さ、コントラストの良さも予想以上の出来映え。明るさもあることからリビングシアター用として最適のモデルと言えよう。

 

本機の内部構造


【SPEC】
●映像素子:反射型液晶パネル(LCOS) ●液晶パネル:0.7型(1,400×1,050ドット)×3、アスペクト比4対3 ●投写レンズ:マニュアルズーム(1〜1.7倍) ●光源:200W超高圧水銀ランプ ●画面サイズ(投写距離):最小40型〜最大300型(1.2〜9.0m) ●明るさ:2,500 lm ●コントラスト比:1,000対1 ●映像入力:ミニD-Sub15ピン×1、DVI-I×1、コンポジット×1、S×1 ●消費電力:290W ●外形寸法:284W×96H×286Dmm(突起部分含まず) ●質量:3.9kg


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