特集

営業部長の年末商戦
39人のキーマンが語る「展望と勝算」

パイオニア

PDPとホームシアターを中心に

バリエーション展開で売上げアップ

パイオニア(株)
ホームエンタテインメント
カンパニー
国内営業部長

徳田敏夫氏

 年末商戦での目標について、「下半期では前年比5割ほどのアップを目指しております。内訳としてはプラズマ、DVDレコーダーを大幅に伸長し、オーディオを前年維持かそれ以上としたい。やはりPDPを核としたホームシアター関連商品が中心となり、市場がさらに大きくなると見込んでいます」と徳田氏は語る。

 昨年の年末商戦では、プラズマディスプレイの導入が11、12月だったため、一番売れる時期に商品を供給することができなかったという背景がある。「今年の年末商戦では、パネルの供給を安定させることが重要です。昨年は展示するだけで精一杯で、ディーラーさんにもご迷惑をかけてしまいました。PDP―433HDは特に12月の導入でしたから、注残を1500本も残して年を越すような状況でした」。今年はそうした反省も踏まえて、パネルを自社で作っているというアドバンテージを武器に安定供給を図ることが課題となる。

 販売促進については、ホームシアターを構成するAVアンプやスピーカーなどの製品のラインナップを揃え、バリエーションを広げようと考えている。ただ単品で売るだけではなく、周辺機器を売ることを重要視している。「ホームシアター関連は、説明が必要な商品ですから、こうすればもっと生活が楽しくなるといった提案をしていかなくてはならない。そのためには、やはり商品のバリエーションを広げていく必要がある。パネルを木枠にするなど様々な提案が考えられるでしょう」。

 CEATECで話題となった、一枚のパネルの上に配置された254個の小型スピーカーで5・1chを作り出せるデジタルサウンドプロジェクターについても、「ホームシアターも、リアスピーカーの設置や配線処理に困る方がいらっしゃいます。これも新たな提案のひとつですよね」と、やはりユーザーニーズを考慮した提案に重きを置いているようだ。

 ユーザーの立場に立っていない売り方にも話は及んだ。例えば、チューナーの有無や、XGAとVGAの違い、ハイビジョン対応・未対応による価格差も店頭で説明できないという状況がある。「ホームシアターは周辺機器もまとめて買う人も多い商材です。見かけ上の価格で単品売りの商売をすれば、売価競争にならざるを得ません。単価アップのためにも、ラインナップをしっかりと揃えて、価格差、性能差を認識してもらい、大事に売っていきたいですね」。

 年末商戦に「DVR―77H」「DVR―55」という2機種の新製品を発表し、大きな期待のかかるDVDレコーダーについては、「ユーザーに伝えきれていない部分がたくさんあります。規格の問題にしても、RAMだから買っている、RWだから買っているというわけではありません。DVDレコーダーだから買っている方がほとんどです。しかし、RWは再生互換について圧倒的な説得力があるわけです。こうした点を強く訴求する必要があります。当初5割ほどあったシェアも現在は2割ほどに落としています。一気に巻き返しをはかり、少なくとも4割は獲得できるものと考えています」と、強い意気込みを見せる。

 しかしながら、DVDレコーダーを買っているのはまだ一部の先進層だけという現状がある。「まだユーザーは完全に熟しているとはいえません。先進層ではない人たちにも分かってもらえるように訴求していかなければならないでしょう。そうした意味ではこの年末が一番いいチャンスです。DVDが何であるかということも知らない人がまだまだいますから、テレビはこう変わる、ビデオはこう変わると、セットで提案していくことができるでしょう」。

 もともとオーディオ専門メーカーであったことから、年末の勝負所はやはり商品のクオリティーだと考えている。「クオリティーの高い商品ができたなら、あとは説得力さえあれば買っていただける。ディーラー様を説得して、ディーラー様がお客様を説得する。エンドユーザーにまで分かってもらえる説得力がないと、ホームシアター関連のような導入商品はだめでしょうね」と営業への意気込みも強い。

 「製品のクオリティーは当然のこととして、それを伝える情報のクオリティーが重要です。私は営業力イコール人間力だと考えています。われわれ、パイオニアのバッジをつけたものは全員が営業マンという気持ちで望んでおります」。パイオニアは、伝統であるオーディオをベースにレコーダー、PDPを両輪として揃えている。これを柱に、この熱意があれば年末での5割アップという大きな目標も必ず達成できるだろう。

日本マランツ
古澤稔也氏
ハーマンインターナショナル
大久保 仁氏

 

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