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米国を代表する老舗スピーカーブランド「KLIPSCH(クリプシュ)」

「RF(リファレンス)シリーズ」は、60年もの伝統をもつ名門クリプッシュの主力高級スピーカーである。もちろん5.1chのマルチを想定したシリーズだが、中でも大型トールボーイのRF−35は全米を代表するベストヒットモデル。その売り上げは量販店、専門店のいずれにおいてもNo.1という人気ぶりだ。

ブランドの創始者
ポール・W・クリプシュ
ブランドの創始者であるポール・W・クリプシュは「劇場の音を家庭用スピーカーで再現する」という信念のもとに、優れた知識を持つエンジニアとして活躍しながらクリプシュブランドを盛り上げてきた。現在は従業員数300人を数える大企業にまで成長し、コンシューマー向けのオーディオスピーカー、ホームシアターシステムをはじめ、商空間用、プロフェッショナル用、マルチメディア用など、多岐に渡るラインナップを持っている。スピーカーの各分野においてTHX認証を保持する世界で唯一のメーカーとしても名高い、アメリカで最も愛されているスピーカーブランドだ。





全米市場のマーケットシェアにおいて1位を獲得

スピーカーの売上ではオーディオ専門店、および家電量販店ともに米国第1位に位置付けられ、映画館用スピーカーでは推定約50%のマーケットシェアを獲得している。米国はもとよりメキシコなどの中南米地域においても人気の高いブランドである。同社は90年代を中心に「音楽ファンのためのスピーカーシステム」としてのブランド戦略を積極的に展開してきた。クリプシュ製品のユーザーには米国で人気の高いミュージシャンも数多く、日本国内でも著名なテーマレストランである「ハードロックカフェ」のオフィシャルスピーカーとしても使用されている。

クリプシュ製品の独自性を際立たせる「Tractrixホーン」

Tractrixホーン

クリプシュの創業エンジニアであるポール・W・クリプシュが開発した「Tractrix(トラトリクス)ホーン」の独自技術がクリプシュの大きな特徴である。Tractrixホーンは能率が極めて高く、より少ない振動板振幅とアンプパワーで効率の良い再生を実現でき、結果として歪みを減少することができる。また小振幅ゆえに充分な音量が確保できるため、ハイレスポンス&ハイスピードな再生が可能であり、ボリュームの大小にかかわらず、ディティールに富んだ表現を可能にする。さらに、高能率×高耐入力の相乗効果がもたらす圧倒的なダイナミックレンジ、厳密に指向性をコントロールすることで得られるフラットな周波数特性など、ホーンスピーカーならではの楽しみが得られるのである。

日本市場への進出にヤマハと強力なパートナーシップを形成

同社は2004年に一気に90モデルのラインナップを発表し、その勢いを加速させている。2004年にはヤマハ(株)との業務提携を結んだクリプシュ社(>>関連ニュース)は、今後同社製品の日本国内における販売のみならず、製品の共同開発やグローバルな商品戦略における強力なパートナーシップを構築していく考えを明らかにした。両社は今後、双方製品のオリジナリティ・商品力を活かし、ともにビジネスの成長を目指す。更にヤマハは、クリプシュ製品を通じて住空間・カスタムインストレーション、商空間ビジネスに参入することも視野に入れて積極展開していくという。

ヤマハ(株)はA&Vフェスタ2004の
ブース
でクリプシュの製品群を展示

昨年末から今年前半かけてクリプシュから日本のコンシューマー向けに、代表的なハイエンドのシリーズである「リファレンスシリーズ」(>>視聴レポート)が紹介される。本シリーズはクリプシュにとって、コンシューマー用モデルの中核に位置づけられ、全米のオーディオ専門店からベストセラーモデルとして高い評価を獲得しているスピーカーだ。全米のオーディオファンが愛してやまないクリプシュのスピーカーに秘められたパフォーマンスに期待が高まるばかりだ。