新製品批評
Phile-web >> 製品批評 >> KIKUCHI「スタイリッシュスクリーン」

 


視聴・文/村瀬孝矢

リビングルームなどでも黒浮きが少ない、明瞭な映像を実現する画期的スクリーン「グレイマットアドバンス」。最新の人気プロジェクターと組み合わせた場合の相性はどうなのだろうか。綿密な視聴レポートを通し、村瀬孝矢氏が画質を検証した。

ソニー
VPL-HS2
¥OPEN(予想実売価格20万円前後)
製品の詳細

プロジェクターのプロフィール

新開発のワイドVGAパネルを使用した液晶プロジェクターで、入門層を意識したモデル。この価格帯にはベストセラーモデルが多いが、本機は、ダイナミックさとデザインの良さを特徴にする。テレビ的なまとめで違和感が少ないのも狙いの1つ。

 

プロジェクターの基本画質

明るさを基調にしたダイナミックさが特徴。もっと質感を発揮させるような画質調整を行いたいと思うが、一般的な調整項目なのでそれはかなわない。間接照明下でのシアター鑑賞向きにまとめられたモデル。

 

グレイマットアドバンスとの相性

これもグレイマットスクリーンとの相性が良い。こうして見てくると液晶用に最適なスクリーンの1つであることが明白になる。基本画質であるダイナミックさは決して失われず、その中で黒浮きをしっかりとチェックし、抑えるところが効果的だ。特に本モデルでも、同社の他のモデルでも同じ傾向なのだが、やや黒浮きが気になる中では、お薦めしたいスクリーンである。本モデルとは色被りでグリーン系の色が鮮やかに、またまとわリ付くようになるのだが、これも許容したくなるほど、他のスクリーンでは味わえない表現力の良さがある。本モデルとの組み合わせでは、できるだけ明るさを抑える方向の画質調整を心掛けることが使い方のコツであろう。

 

スクリーンとの相性評価
CH2000WG(吉村光学) ハイライトの輝きが穏やかなので黒浮きも目立たせず好ましい
MTSR-90H DAM(キクチ) グリーン系に色がシフトするもののDレンジは広く、黒もしっかり出てよい
AM-V100B WF201(OS) 明るさを改善する方向でこれ以上の明るさも必要なく相性はよくない
FIRE HAWK(スチュワート) よりダイナミックな傾向が強まりハイビジョンはよいが映画には向かない
◎…相性抜群! ○…良好 △…やや良好 ▲…まあまあ ×…あまりよくない
(上記の表は「AVレビュー」107号所収記事より転載)