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■DVD録画「機能編」 Q&A集
<Q>1度記録した数枚のDVDを1枚にまとめることは可能か?

レート変換ダビングがあるが、画質には注意


ハードディスクとDVDのハイブリッド機は、別項で説明した高速ダビング以外にも様々なダビング機能を搭載している。そのなかの一つに、記録レートを変換してダビングする「レート変換ダビング」という機能があるが、この機能の用途はいくつか考えられる。
 
まず、ハードディスク側に高い記録レートで保存した長時間の番組を、レートを落としてディスク1枚に収める用途が考えられる。次に、数枚のDVDに分けて録画したドラマやシリーズ番組などを、いったんハードディスクに書き戻し、まとめて1枚のDVDに記録するという用途も考えられる。ここでは、後者を例に取り、実際に画質の変化や使い勝手を検証した。
 
DVDからハードディスクへのダビングも、ハードディスクからDVDにダビングする際と同様、画質の劣化は起こらない。DVDに保存したときの画質・音質で、そっくり複製ができる。
 
ダビングが完了すると、別々のディスクからダビングしたタイトルがハードディスク上に複数並んだ状態になるので、ここからダビングする番組を選び、レート変換ダビングを呼び出して、記録モードを選択する。録画側のDVDの記録レートは自由に設定できるほか、容量優先で画質設定を選ぶこともできる。これは、ディスク残量に合わせて記録レートを計算し、最良の画質でダビングする機能だ。今回の実験では、9.2Mbpsの高画質レートで録画した画像を、SPモードとLPモードにそれぞれレートを変換してダビングしてみた。
 
画質は、SPとLPで予想以上に差があり、明暗を分ける結果となった。SPの場合は、録画とダビングを複数回経ているとは思えない抜けのよい画質が得られ、輪郭の安定感が高く、色落ちや色ずれもまったく気にならない。元のディスクに比べると、シーンによっては解像度が若干低下していることがわかるが、この程度の変化なら十分に許容範囲といえる。オリジナルのディスクに比べると2倍近い長さの番組を記録できるので、保存の際のスペースも少なくて済む。
 
LPモードに落としてのレート変換ダビングは、LPモード自体の画質の限界があり、オリジナルとの落差はかなり大きい。画質は落ちてもいいから、とにかく1枚にまとめたいというなら話は別だが、ある程度の画質を維持したいと考えるなら、無理はせずにSPモードか、それに近い記録レートでダビングすることをお薦めしておきたい。