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ハードディスクレコーダーの使いやすさは、実際に使ってみるまでなかなか実感できないものだ。だが、メディアの心配をしないですぐに録画できる気軽さ、録画しながら再生できる便利さを一度でも体験すると、もう普通の録画機に戻れなくなってしまう。まさに、放送している曜日や時間帯を気にしないで、自由にテレビを楽しむ感覚だ。これまでのビデオは、空きのあるテープを用意したり、番組の頭出しに苦労したりと、準備がいろいろ大変だったが、ハードディスクレコーダーを導入すれば、この煩わしい準備から一気に開放される。テープ探しや頭出しに無駄な時間を費やしていたのが嘘のようだ。

 


HDDモード時のメニュー画面(クリックで拡大)

本機は、録画中の番組を再生する「追っかけ再生」や、録画中、HDDに記録済みの他の番組を再生する「同時録画再生」など、HDDの高速転送レートを生かした機能をフルに搭載。内蔵するハードディスクの容量は40GB、記録時間は録画モードに応じて8.5時間から52時間まで、たっぷり余裕がある。DVD−RAM両面ディスクのEPモードまで動員すれば、メディアを交換せずに最長58時間の録画ができることになる。これだけの容量を生かすために、本機のタイマー予約は32プログラムまで対応する。

私自身の普段のビデオの使用頻度から考えると、これだけの容量を使い切るには1ヶ月以上はかかるだろう。つまり、1ヶ月間自宅を留守にしても、見たい番組はすべて録画しておくことができるのだ。これまでは、2週間の海外旅行に出かけるだけでも、3台のビデオデッキに複数の予約を振り分けていた。帰宅してからはテープの整理にも手間がかかる。これからは、その苦労がまったく不要になるのだ。ハードディスクレコーダーを導入すると生活スタイルが変わるというのは、けっして大げさな表現ではない。

画質は、HDDとDVDいずれもSPモードの健闘が印象的だ。VBR記録のメリットを生かした映像で、平均転送レートの数字を考えると、精細感と安定感の高さは立派なものだ。もちろん、画質に徹底してこだわるときは、転送レートに余裕のあるXPモードが威力を発揮する。