高度な信号処理によって生成されるサラウンド音は迫力満点

メディアセンターではDVDの信号をまず5.1chにデコードする。ここまでは通常のAVアンプと同じ。本機はこの信号をさらに4chにミックスしなおすのである。そこではリアをリアに定位させるための処理に加えて、部屋のどこでも同じように信号が聴き取れるような特殊な処理も行なわれている。このため従来のように中央の一点でだけピンポイントで結像するのではなく、左右の広い範囲にわたってきちんとした定位が得られる。

■音声処理の仕組み 様々なデジタルソースをデコードしたあと、4×4BOSE DigitalプロセッサーでDSP処理され、出力される。

■チップ 最新型DVDプロセッサー「Dual 32bit CS98000」(左)と32bit DSPエンジン「SHARCチップ」（右）を搭載

この信号処理が本機の最大の核心になっているわけである。試しに移動感のわかりやすいカーレースの映画を見てみると、確かにレーシングカーがぐるぐると回っている様子がわかる。ことに遠近の出方が一般のサラウンド・システムと変わりなく再現されるのには少なからず驚かされる。隣のマシーンが接近しまた離れてゆく瞬間のリアリティは、これまでの方式ではなかなか得られなかったものといっていい。

■2本のスピーカーにより、広い範囲で5chの音を再現。あたかもそこにセンタースピーカーやリアスピーカーがある様な臨場感を体験できる。